[07発-ポ-08] 高校部活動実施者の体組成測定による発育発達状況の把握
部活動間での比較
本研究では、高校の部活動に所属する生徒の身体的発育と発達を把握するため、体組成測定を行った。対象は、春季が194名、秋季は127名であった。対象者が所属する部活動の種目は、剣道、柔道、スキー、卓球、バスケットボール、バドミントン、バレーボール、ハンドボール、野球、陸上の10種目である。測定項目は、身長、体重、体脂肪率、脂肪量、除脂肪量、筋肉量、推定骨量、体水分量の8項目とした。測定は、春季と秋季に実施し、各項目の測定値を部活動ごとに算出した。
その結果、男性では、柔道部が春季よりも秋季の方が筋肉量は0.24kg増加し、脂肪量は0.4kg減少していることがわかった。女性では、バドミントン部が春季よりも秋季の方が筋肉量は1.12kg、推定骨量は0.16kg増加し、脂肪量は0.21kg減少していることがわかった。唯一の冬季種目であるスキー部は、男性において、春季よりも秋季の方が筋肉量は1.07kg、脂肪量は0.49kg、推定骨量は0.05kgそれぞれ増加していた。体脂肪率については、バスケットボール部の男女ともに春季よりも秋季の方が減少していた。
今回の測定では、測定時季が2回と限られており、各種目の特性から高校生の発育発達の状況を把握することは困難であった。特に、秋季はほとんどの種目においてメインとなる大会が終了となっており、3年生は部活を終了していた。そのため、測定数は減り、秋季に測定ができなかった種目もあった。今後は、個人内比較を含め、継続的に長い期間での発育発達の状況を把握していくことが課題になる。また、測定時季についても、対象者と相談の上、考慮していきたい。