The 73rd Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Poster (Subdiscipline)

専門領域別 » 運動生理学

運動生理学(奇数演題)/ポスター発表

Fri. Sep 1, 2023 10:00 AM - 11:00 AM RY207 (良心館2階RY207番教室)

[04生-ポ-23] 長期トレーニング前後の免疫力および神経内分泌系ホルモンの変化

CUBE Reader を用いたコンディション評価の検討

*Terue Takashina1 (1. College of Commerce, Nihon University)


スポーツ選手は、日々トレーニングを実施することにより、競技力の向上を図っている。しかしながら、高強度や長時間のトレーニングを実施することで、上気道感染症の罹患率が高まるといわれている(e.g. Gleeson and Walsh, 2012)。上気道感染症への罹患は、スポーツ選手の競技パフォーマンスを低下させることから(e.g. Martensson et al., 2014)、スポーツ選手は免疫力低下に注意を払わなくてはならない。そこでコンディション評価が重要となる。スポーツ選手のコンディションを正確に評価するためには、客観的な指標が必要である。本研究は、唾液試料を客観的指標として、長期トレーニングに対する免疫応答および神経内分泌反応を明らかにすることを目的とした。
 対象は、関東大学バスケットボール連盟1部に所属するA大学男子バスケットボール部の選手25名とした。唾液採取は、長期トレーニング前後の安静時に行った。分析項目は、免疫学的指標としてIgA、内分泌系ホルモンの指標としてコルチゾール、交感神経系ホルモンの指標としてアミラーゼとした。なお、スポーツ現場での活用を期待し、従来のELISA法ではなく、より簡便に測定可能なCUBE Reader(Dunbar et al., 2015)を用いた。
 分析の結果、長期トレーニング前後でIgAは有意に低下し(p < 0.05)、コルチゾールおよびアミラーゼは有意な変化が認められなかった(n.s.)。なお、各項目において、長期トレーニングの前後あるいはいずれかにおいて測定範囲外の値を示した選手がいた(IgA: 1名,コルチゾール: 15名,アミラーゼ: 6名)。
 本研究は、神経内分泌系ホルモンに変化がなかったものの、長期トレーニング後に免疫力が低下することを明らかにした。CUBE readerを用いたコンディション評価には、唾液IgAが有用である可能性が示された。