[08測-ポ-35] 敏捷能力を評価する新規四肢の連続選択反応テストと既存のテストとの関係
【背景】我々は、不規則で予測困難な連続的刺激に対して、素早く且つ正確に反応する敏捷能力を評価する四肢の連続選択反応テスト(以下、連続選択反応テスト)を新規に作成した。既存の敏捷能力テストである全身反応テストは刺激に対する素早い全身の反応を、反復横跳びとバーピーテストは短時間に全身の素早い反復動作を要求する。両テストは同じ敏捷能力に関するテストであるが、対象者に要求する動作が異なる。 【目的】本研究は、連続選択反応テストと既存の敏捷能力テストとの関係を検討する。 【方法】青年男性30名(年齢:15.0±0.2歳)は、以下の各テストを行った。 連続選択反応テスト:パソコンのモニター上に表示される指示(右手、左手、右足、及び左足を各3回)に従い、前方に設置されたシートに素早くタッチあるいはステップした。指示テンポとして60bpmを採用した。3種類の指示パターンを選択し、各パターン3試行実施し、試行間に有意差が認められなかった後半2試行の平均を代表値とした。評価変数として、タッチとステップの合計反応時間を算出した。 既存のテスト:全身反応テスト(5回測定し、最大値と最小値を除いた3回の平均を代表値)、反復横跳びテスト(2回測定し、多い方の回数を代表値)、及びバーピーテスト(2回測定し、多い方の回数を代表値)を選択した。評価変数間の関係はピアソンの相関係数により検討した。 【結果及び考察】いずれのパターンの連続選択反応テストも全身反応、反復横跳び、及びバーピーテストと有意な相関は認められなかった。連続選択反応テストは既存の敏捷能力テストと異なる能力を測定すると考えられる。 【結論】連続選択反応テストは既存の敏捷能力テストと関係がなく、異なる敏捷能力を評価する。