[08測-ポ-37] 女子短期大学生の体力と学業成績および社会人基礎力との関連について
【背景】子どもにおいて体力と学業成績、体力と非認知機能が関連することが示されているが、大学生では明らかでない。また、大学生は最終的に就職するため、学業のみならず、社会人としてのスキル(非認知能力)が大学生活で身についているかが重要である。【目的】本研究は、女子短期大学生の体力と学業成績および社会人基礎力との関連について検討することを目的とした。【方法】対象者は、私立短期大学に在籍する女子学生87名であった。本研究は、釧路短期大学研究倫理委員会にて倫理審査の承認を得ておこなった。また、書面にて参加への同意を得た。体力の測定項目は、握力、長座体前屈、反復横跳び、上体起こし、立ち幅跳び、垂直跳び、踏み台昇降運動時の心拍数から算出した指数とした。学業成績は、卒業時のGPA(Grade Point Average)を用いた。社会人基礎力は、学校法人河合塾と株式会社リアセックが作成したPROG(Progress Report on Generic Skills)テストのコンピテンシー領域の総合、対自己基礎力、対人基礎力、対課題基礎力を用いた。解析方法は体力項目を独立変数、学業成績と社会人基礎力の項目を従属変数として重回帰分析を行った。学業成績項目を独立変数、社会人基礎力項目を従属変数として単回帰分析を行った。なお、欠損値がある場合には、分析ごとに除外した。統計的有意水準はいずれも危険率5%未満とした。【結果】重回帰分析の結果、GPAに対する体力、PROGに対する体力において有意な関係は認められなかった。単回帰分析の結果、PROGに対するGPAにおいて有意な関係は認められなかった。【結論】大学生において体力そのものと学業成績や社会人基礎力とは関連していないことが示唆された。また、大学生の学業成績と社会人基礎力との間においても関連していないことが示唆された。