[11教-ポ-03] 中学校体育授業における3x3バスケットボールの教材化に関する基礎的研究
5人制ゲームとの比較を通して
バスケットボールはこれまで5人制として普及してきたが、2007年にFIBAが3人制のバスケットボールに世界共通のルールを設定し、正式種目とした。この3人制バスケットボールは「3x3バスケットボール」と呼ばれる。一方で、文部科学省(2017)は、体育授業のゴール型球技において、プレイヤーの人数、コートの広さ、用具、プレイ上の制限を工夫したゲームの必要性をあげている。人数が少なく、ハーフコートで行い、攻守交替に特殊なルールを用いる3x3は、体育授業において有効な教材となり得ると予想されるが、中学校の体育授業で3x3を用いた実践は研究されていない。そこで本研究では、体育授業での5人制ゲームと比較した3x3ゲームの特性を明らかし、教材化する上での基礎的資料を得ることを目的とした。調査は、X市立Y中学校の2年生男子70名を対象に実施した。3x3と5人制はそれぞれ別日で、3x3を18チーム各4試合(合計36試合)、5人制を12チーム各4試合(合計24試合)行った。ゲームはビデオカメラで撮影し、後日再生して、教員養成に従事しており、日本バスケットボール協会公認コーチライセンスを所持する大学教員2名でパスやシュート数等を集計した。また、各ゲーム終了後に3x3と5人制それぞれに対する満足度を評価するアンケートに回答してもらった。なお、本研究は芦屋大学研究倫理委員会の承認(芦大33号2)を得て実施した。中学校体育授業での5人制と比較した3x3ゲームの特性として、以下の3点が明らかになった。(1)3x3の方がミスが少なく、攻撃完了率が高かった。(2)3x3は5人制より1人あたりのボール操作回数(ショート、パス、リバウンド、触球数)が多く、生徒自らもパス、シュートをたくさんできたと認識していた。(3)生徒は3x3の方がゲーム全体をとおして動き続けたと実感していた。