日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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ポスター発表(専門領域別)

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体育科教育学/ポスター発表

2023年9月1日(金) 14:45 〜 15:45 RY429 (良心館4階RY429番教室)

[11教-ポ-07] 情報活用能力の育成を重視した体育実践

*増村 水美1 (1. 広島文化学園大学大学院人間健康学研究科)


文部科学省(2017)は、情報活用能力を言語能力と同様に「学習の基盤となる資質・能力」と位置付け各教科等の特性を活かし教科等横断的な視点から図るものと示している。そのような動きから学校現場では、ICTを活用して教育変革をするデジタル・トランスフォーメーション(DX)を目指す機運が高まっている。例えば、GIGAスクール構想による児童生徒1人1台端末の整備により、従来教師のみの使い手だったのが児童生徒も使い手になった。そのような中で、誰でもICTを活用することが可能であることにより、デマ情報や誹謗中傷など情報モラルに関する課題が発生している。そして、子どもたちが被害を受けるだけではなく、加害者になってしまうケースも生じている(総務省,2021)。そのため、情報及び情報手段を主体的に選択し活用していくための基礎的な力である情報活用能力を育成させることが求められる(文部科学省,2019)。他方、体育科では、器械運動や陸上競技などの領域において、タブレットで撮影した自分の姿を観て課題を見つけ改善するといったICT機器の活用はあるものの、見本の演技として導入段階で一斉に視聴する活用方法が採られていることがほとんどであり、イメージさせることは必要であるが、技のできない生徒への支援にはあまり効果が期待できない(市河・今田,2010)という課題が提起されている。そのため、個人が自身の技能レベルにあった情報を見つけ、課題を見つける解決に繋げることが必要ではないだろうか。そこで本研究では、体育における情報活用能力の育成を目指した授業を実践し、その効果について検討することを目的とする。 研究方法としては、A高等学校2年生54名を対象とし、ハードル走の授業6時間を使って実践していく。情報活用の実践力尺度(高比良ら,2011)を用いて事前事後アンケートを実施し、分析する。