[09方-ポ-14] 連続的なプライオメトリック運動が骨格筋の収縮特性および跳躍能力に及ぼす影響
【背景】プライオメトリックトレーニング(PT)は筋量や筋力を向上させることが報告されている。一方で、負荷設定については知見が散見されていることから、PT後の骨格筋の状態を客観的に評価し、運動能力と併せて検討する必要がある。【目的】本研究はPTを連続的に実施し、どの程度の回数から骨格筋の収縮特性に影響を及ぼすのか検証することを目的した。【方法】競技経験を有した成人男性17名(年齢:22.5±1.2)がデプスジャンプを連続10回×5セット行うPTプログラムに参加した。運動前(Pre)及びセット間(Post1-5)にTensiomyogrphy(TMG)法による筋収縮特性及び跳躍高の測定を行った。また、TMG法を施す被験筋は大腿直筋とし、最大変位量(Maximal displacement:Dm)及び収縮時間(Contraction time:Tc)を測定した。さらにDmとTcの値から筋の変位速度(Velocity of deformation:Vd、Vd=(90% Dm-10%Dm)/Tc)を算出した。これらの値はFriedman検定を用いて、セット間の差の有無を確認し、有意な差が認められた場合は多重比較検定を行った。いずれも有意水準は5%とした。【結果】筋収縮特性では、Dmにおいて3セット、4セット、5セットは2セットと比較して有意に低い値を示した(p<0.05)。さらにVdにおいて、5セットはPre及び2セットと比較して、4セットは2セットと比較して有意に低い値を示した(p<0.05)。一方で、Tc及び跳躍高ではセット間に有意な差は認められなかった(p>0.05)。【結論】跳躍高の結果からPTは50回程度の実施であれば運動前と同程度の運動能力を発揮できるものの、3セット(30回)以上実施することで、DmやVdといった筋収縮特性を変化させることが示された。