日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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ポスター発表(専門領域別)

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体育方法(奇数演題)/ポスター発表

2023年9月1日(金) 13:00 〜 14:00 RY448 (良心館4階RY448番教室)

[09方-ポ-19] バスケットボールのプッシュパス技能の専門種目別授業の効果

*案浦 知仁1、青柳 領2、長嶺 健2、小牟礼 育夫2、田方 慎哉3 (1. 日本経済大学、2. 福岡大学、3. 日立ハイテククーガーズ)


体育系大学のバスケットボールの授業でも基礎的スキルを測定するためにスキルテストが用いられるが、受講生は各自専門種目を持っており、授業での効果にも影響を与えることが考えられる。また、同一種目を経験している者同士は同様の練習をしているので、これらの関連を考慮して、プッシュパス技能の授業の効果について線型混合モデルを用いて関連を検討する。F大学の体育系学部のバスケットボールを受講している244名を対象にプッシュパス技能を試技してもらい、その半年間の伸びを専門種目別に検討した。所属部は「バスケットボール」「バスケットボール以外の球技」「球技以外」「無所属」「体育系以外の学部」を部の系列として分類した。これらの個人の繰り返し、部、部の系列は入れ子構造になっているため、これらを変量効果とし、時期、性別、その交互作用を固定効果とした線型混合モデルを行った。変量効果のみのモデルと比べて固定効果を組み込んだモデルは逸脱度分析の結果、有意な適合度がみられた(χ2=107.77、 df=3、 p<0.001)。さらに、尤度比検定を用いて説明変数の選択を行った結果、時期と性別の交互作用の固定効果、部の変量効果、部の系列の時期との傾き(交互作用)を除いたモデルが選択された。また、変量効果の級内相関係数は個人の時期との交互作用(傾き)が0.371、切片では0.374と高かったが、部の系列の切片では0.001と低かった。また、固定効果については、男子と時期の偏回帰係数が各々-0.464、 0.079で、「男子と時期の交互作用」は有意ではなかった。つまり、プッシュパス技能の伸びについては個人差や性差が大きく、専門種目の影響はほとんど見られず、授業の効果は少なく、他のバスケットボール技能(案浦, 2022)とは異なった特性であった。