[09方-ポ-20] パスケットボールのプレイの主観的自信への下位プレイの知識と自信のパス解析
シュートの主観的自信
【緒言】バスケットボール授業中に行われるゲームにおいて,多くのプレイに関与し,チームの中心的役割を果たす者は各自の状況判断能力に自信を持っている者が多い.この主観的自信はそのプレイに至るまでの下位プレイの自信の積み重ねであり、同時にそのプレイに関する客観的状況判断の知識量に基づいていると考えられる.そこで,本研究では,特にゲームの最終的プレイであるシュートを取り上げ、そのプレイに至るまでの主観的自信と状況判断知識の仮説的モデルを設定し、その妥当性をパス解析により検証する。【研究方法】対象者は,大学体育の「バスケットボール」を受講している346名で,「主観的自信」はElferink-Gemser et al.(2004)をバスケットボールに特化させた5段階評価の18項目,客観的な知識の有無を問う「知識テスト」は「オフェンス」「ディフェンス」「トランジション」「リバウンド」の知識を正誤で問う独自の多肢選択肢形式のテストである。仮説モデルは、シュートに至る過程での①トランジション、②瞬間的判断、③ボールマンへの守りを想定し、さらに①ではキャッチ、シュート、ドリブルの3項目を、②では、ボールマンDef、ドリブルDefなど5項目を、③ではリバウンド、トランジションなど6項目から構成されている。【結果】②と③の因果ルートのパス係数はともに有意に大(0.341, p<0.01; 0.252, p<0.01)となった。①の下位プレイの知識では、キャッチ、シュートは、「シュートの主観的自信」への直接的な因果ルートのパス係数は有意ではなかったが、②の因果ルートを経由することでキャッチ(0.136, p<0.05)、シュート(0.109, p<0.05)は有意な値を示した。つまり、シュートの自信形成には瞬間的判断の自信を含め、キャッチやシュートに関する知識が重要であることが示唆された。