60th Annual Meeting in Autumn

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最優秀ポスター賞・優秀ポスター賞・ベストハイジニスト賞受賞ポスター再掲

最優秀ポスター賞・優秀ポスター賞・ベストハイジニスト賞受賞ポスター[再掲]

Sun. Dec 17, 2017 9:00 AM - 4:50 PM ポスター会場 (さくら)

[再掲優秀] 優秀ポスター賞受賞(第60回春季学術大会)
広汎型重度慢性歯周炎患者に包括的治療を行った一症例

A case report of Comprehensive treatment for generalized severe chronic periodontitis

久保田 義隆/Yoshitaka Kubota (栃木・久保田歯科医院/Kubota Dental Clinic)

研修コード:2504

Keywords:広汎型重度慢性歯周炎、クロスアーチブリッジ、矯正治療

【症例の概要】初診日:2011年6月6日。患者:43歳,女性。主訴:歯肉の疼痛,歯の動揺,審美性の改善。全身既往歴:貧血で2010年から約1年間服薬。口腔既往歴:歯科受診は約半年ぶり。約5年前より歯肉腫脹・疼痛を繰り返し,その都度近在の歯科医院を受診。家族歴:両親ともに部分床義歯を使用。診査・検査所見:全顎的に歯肉の発赤・腫脹,重度の歯槽骨の水平的骨吸収,および部分的な垂直性骨吸収を認めた。BOP:69.1%,PCR:66.7%。診断:広汎型重度慢性歯周炎,二次性咬合性外傷。
【治療方針】1)歯周基本治療 2)再評価 3)歯周外科治療 4)再評価 5)口腔機能回復治療 6)再評価 7)SPT
【治療経過】1)歯周基本治療(11,27,28,37,47,48抜歯) 2)再評価 3)歯周外科治療,35~36部,15~17部(16頬側遠心根分割抜歯) 4)再評価 5)口腔機能回復治療:上顎はクロスアーチブリッジにて歯周補綴を行った。下顎は叢生の改善と適正なアンテリアガイダンスの獲得を目的とした矯正治療を行った。 6)再評価 7)SPT
【考察】クロスアーチブリッジの支台歯にMTMを行い歯軸を調整したことは,抜髄を避ける上で有用であった。患者の治療に対する理解・セルフケアの改善により,長期に渡る包括的な治療を行い歯周組織と咬合の安定を確立することができた。再評価を通した歯周組織改善の状態の共有はさらなる理解と協力を得られた。今後もSPTにおいて根分岐部病変のある歯・残存する付着の量が少ない歯・分割した歯は,特に注意深く観察していきたい。