60th Annual Meeting in Autumn

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最優秀ポスター賞・優秀ポスター賞・ベストハイジニスト賞受賞ポスター再掲

最優秀ポスター賞・優秀ポスター賞・ベストハイジニスト賞受賞ポスター[再掲]

Sun. Dec 17, 2017 9:00 AM - 4:50 PM ポスター会場 (さくら)

[再掲ベストハイジニスト] ベストハイジニスト賞受賞(第59回秋季学術大会)
歯周基本治療により改善した広汎型重度慢性歯周炎患者の一症例

The case report of generalize severe chronic periodontitis patient improved by the initial preparation

鈴木 佳奈/Kana Suzuki (ゆいとぴあ歯科医院/Yuitopia Dental Clinic)

研修コード:2504

Keywords:セルフケア、歯周基本治療、重度慢性歯周炎

【はじめに】炎症性歯肉増殖を伴う重度慢性歯周炎の患者に対し,生活背景を患者とともに確認し,口腔内の状態について理解を得た。セルフケアや治療に対する意識の向上がみられ,歯周基本治療のみで良好な結果を得られた症例を報告する。
【初診】2013年12月,42歳女性。主訴:ブラッシング時の上顎左側臼歯部からの歯肉出血。喫煙歴:なし
【診査・検査所見】BOP:32.0%,PPD:4mm以上52.8%,PCR50%。全顎的に歯肉の発赤,腫脹を認めた。特に上顎左側臼歯部には炎症性歯肉増殖がみられ,下顎前歯部および臼歯部に垂直性骨吸収を認めた。
【診断】広汎型重度慢性歯周炎
【治療計画】1.歯周基本治療 2.再評価 3.歯周外科治療 4.再評価 5.補綴治療 6.SPT
【治療経過】検査後,患者教育を行いながら,スケーリング・ルートプレーニングを行った。歯周基本治療が進むとともに歯肉の腫脹が消退し,歯周ポケットの改善が見られた。再評価時に歯槽硬線の明瞭化を確認し,歯周外科処置は行わず補綴治療を行った。2015年9月SPT へ移行した。
【考察・まとめ】患者は過去にも歯肉の腫脹,出血があり歯科医院に通院したものの,予防の概念がないこと,子育ての忙しさのために通院が途絶えた。当院に受診し口腔内の状態と必要な処置,その後の継続したセルフケア,SPTの必要性を説明し理解を得た。歯周基本治療が進むにつれ歯肉の腫脹,出血がなくなり,その変化がモチベーションに繋がった。今後は病状安定を維持することを視野に,良好なセルフケアとSPT を継続させていくことが課題である。