[再掲ベストハイジニスト] ベストハイジニスト賞受賞(第60回春季学術大会)
多数の全身疾患を有する歯周病患者に非外科的歯周治療の著明な効果が認められた一症例
A case report of a patient with few systemic diseases treated with non-surgical periodontal therapies.
研修コード:2504
Keywords:右半身麻痺、感染性心内膜炎、非外科的歯周治療
【症例の概要】日本循環器学会では生体弁・人工弁置換術後の患者を重篤な感染性心内膜炎を引き起こすハイリスク群と分類している。複数の基礎疾患を有し広汎型中等度慢性歯周炎(主訴部は重度)と診断された右半身麻痺患者に対し,非外科的治療のみで歯周組織の健康状態が改善した症例を報告する。
【初診】2007年11月22日初診,67歳,男性,下の前歯がグラグラするとの主訴で来院。
全身既往歴:大動脈弁置換後,僧帽弁交連裂開術後,心房細動,脳梗塞後,高血圧症,高脂血症。
【検査所見】初診時:PCR=100%,PPD≧4mm=26.1%,BOP=37.8%,全顎的に歯肉の発赤・腫脹,多量の歯肉縁上・縁下歯石を認めた。X線写真では全顎的に中等度の水平性骨吸収を認める。主訴である41歯は動揺度3度,歯周ポケット最深部は8mmであった。同歯にはX線写真所見から,根尖まで及ぶ歯槽骨吸収を認めた。
【診断】広汎型中等度慢性歯周炎
【治療方針】1.応急処置 2.歯周基本治療 3.再評価 4.口腔機能回復治療 5.再評価 6.メインテナンス。
【治療経過・治療成績】観血処置による感染性心内膜炎のリスク回避のため内科医との対診後,歯周基本治療を行った。抜歯となった41歯は,44から34歯のMTMにて対応した。
【考察】右半身麻痺によりセルフケアが非常に困難な患者であるが,感染性心内膜炎の発症を予防するためにも口腔衛生管理の徹底は不可欠である。
【結論】今後,有病後期高齢者患者のSPTを行うにあたり,フレイルの兆候を見逃すことなく治療を行う。
【初診】2007年11月22日初診,67歳,男性,下の前歯がグラグラするとの主訴で来院。
全身既往歴:大動脈弁置換後,僧帽弁交連裂開術後,心房細動,脳梗塞後,高血圧症,高脂血症。
【検査所見】初診時:PCR=100%,PPD≧4mm=26.1%,BOP=37.8%,全顎的に歯肉の発赤・腫脹,多量の歯肉縁上・縁下歯石を認めた。X線写真では全顎的に中等度の水平性骨吸収を認める。主訴である41歯は動揺度3度,歯周ポケット最深部は8mmであった。同歯にはX線写真所見から,根尖まで及ぶ歯槽骨吸収を認めた。
【診断】広汎型中等度慢性歯周炎
【治療方針】1.応急処置 2.歯周基本治療 3.再評価 4.口腔機能回復治療 5.再評価 6.メインテナンス。
【治療経過・治療成績】観血処置による感染性心内膜炎のリスク回避のため内科医との対診後,歯周基本治療を行った。抜歯となった41歯は,44から34歯のMTMにて対応した。
【考察】右半身麻痺によりセルフケアが非常に困難な患者であるが,感染性心内膜炎の発症を予防するためにも口腔衛生管理の徹底は不可欠である。
【結論】今後,有病後期高齢者患者のSPTを行うにあたり,フレイルの兆候を見逃すことなく治療を行う。