[DP-03] 歯周基本治療でコントロール不良な非肥満性Ⅱ型糖尿病患者のHbA1cが劇的に改善した一症例
A case report of uncontrolled non-obese Type II diabetic patient whose HbA1c has been improved dramatically by initial periodontal therapy
研修コード:2504
Keywords:非肥満性Ⅱ型糖尿病患者、歯周基本治療、HbA1c
【緒言】Ⅱ型糖尿病と歯周病は双方向的に関連していることが明らかになっている。Systematic review(Teeuw et al., 2010)では,歯周治療によりHbA1cが平均0.4%改善すると報告されている。欧米人と比較して日本人には非肥満性Ⅱ型糖尿病患者の割合が高いが,この亜集団に対する歯周治療の効果に関する報告は少ない。今回,コントロール不良な非肥満性Ⅱ型糖尿病患者に対し歯周基本治療のみで歯周病病状およびHbA1cの劇的な改善が見られた症例の詳細を報告する。
【初診】患者:73歳男性 初診日:2015年3月 主訴:歯の動揺 全身既往歴:Ⅱ型糖尿病(HbA1c 9.6%) 喫煙(3本/日) BMI 20.2(身長167cm,体重56.2kg)
【診査・検査所見】口腔内所見:全顎的に歯肉の発赤,腫脹および歯の動揺を認めた。平均PPDは5.8mmであった。エックス線所見:大臼歯部に根尖に及ぶ骨吸収を認めた。
【診断と治療方針】広汎型重度慢性歯周炎を発症した非肥満性Ⅱ型糖尿病患者。
患者教育による生活習慣の改善,歯周組織の感染および炎症反応の早期解消後に咬合機能を回復し,SPTを継続する。
【治療経過と考察】歯周基本治療により歯周組織の感染および炎症を制御でき,全顎的にPPD 3mm以下に改善した。HbA1cは初診時からSPT移行時に9.6%から6.7%まで改善した。歯周組織の炎症が顕著な非肥満性Ⅱ型糖尿病患者に対して歯周基本治療のみでHbA1cが大幅に改善したことは,この患者の血糖コントロールに歯周組織由来の炎症反応の関与が大きかったことを示唆する。
【初診】患者:73歳男性 初診日:2015年3月 主訴:歯の動揺 全身既往歴:Ⅱ型糖尿病(HbA1c 9.6%) 喫煙(3本/日) BMI 20.2(身長167cm,体重56.2kg)
【診査・検査所見】口腔内所見:全顎的に歯肉の発赤,腫脹および歯の動揺を認めた。平均PPDは5.8mmであった。エックス線所見:大臼歯部に根尖に及ぶ骨吸収を認めた。
【診断と治療方針】広汎型重度慢性歯周炎を発症した非肥満性Ⅱ型糖尿病患者。
患者教育による生活習慣の改善,歯周組織の感染および炎症反応の早期解消後に咬合機能を回復し,SPTを継続する。
【治療経過と考察】歯周基本治療により歯周組織の感染および炎症を制御でき,全顎的にPPD 3mm以下に改善した。HbA1cは初診時からSPT移行時に9.6%から6.7%まで改善した。歯周組織の炎症が顕著な非肥満性Ⅱ型糖尿病患者に対して歯周基本治療のみでHbA1cが大幅に改善したことは,この患者の血糖コントロールに歯周組織由来の炎症反応の関与が大きかったことを示唆する。