60th Annual Meeting in Autumn

Presentation information

臨床(認定医・専門医)ポスター

歯周組織再生療法

臨床(認定医・専門医)ポスター
歯周組織再生療法(セメント質剥離)

Sun. Dec 17, 2017 9:00 AM - 4:50 PM ポスター会場 (さくら)

DP-13~DP-14
(ポスター討論:12:00~12:50)

[DP-14] セメント質剥離を認めた二次性咬合性外傷を伴う広汎型中等度慢性歯周炎の一症例

Cemental tear: A case report of generalized moderate chronic periodontitis with trauma from occlusion

伊藤 文1,秋月 達也2,出口 眞二1/Aya Ito1,Tatsuya Akizuki2,Shinji Deguchi1 (学校法人みなとみらい学園 横浜歯科医療専門学校 歯科クリニック1,東京医科歯科大学(TMDU)大学院医歯学総合研究科 生体支持組織学講座 歯周病学分野2/Yokohama College of Dental Care and Health Sciences Dental Clinic1,Department of Periodontology, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Tokyo Medical and Dental University,(TMDU)2)

研修コード:2504

Keywords:セメント質剥離、外傷性咬合、歯周組織再生療法

【症例の概要】66歳,男性,2014年7月初診。上顎右側臼歯部の歯肉腫脹と咬合痛を主訴に来院。16, 15の歯肉が著しく発赤腫脹しており,15は1度の動揺と歯根膜腔拡大,頰側にPD7㎜が存在し出血,排膿を認めた。多数歯にわたり楔状欠損または歯頸部の修復処置が認められ,上顎左右犬歯の尖頭が著しく咬耗,切歯様の形態を呈していた。44近心はPD10㎜であり,歯根長2/3に至る垂直性骨吸収像を認めた。広汎型中等度慢性歯周炎および二次性咬合性外傷と診断した。
【治療方針】外傷性咬合の関与に留意し歯周基本治療を行う。再評価後に歯周組織再生療法を含めた歯周外科治療を行い,口腔機能回復治療にて咬合の安定を図った上でSPTへ移行する。
【治療経過】歯周基本治療終了後,歯周外科治療時15の頰側根面に陥凹を認め,歯肉結合組織に剥離したセメント質と思われる硬組織を認めた。44近心は2壁性の骨欠損形態であったため,GTR法による歯周組織再生療法を適応した。咬合機能回復治療後再評価時,44にPD4㎜が残存したがBOP-,全顎的な歯周組織の安定が見られた為,SPTへ移行した。
【考察】セメント質剥離の原因の一つとして,強い外傷力の存在が挙げられる。剥離した硬組織の除去とともに,外傷性咬合の除去を図ることが長期の歯周組織の安定には重要であると考えられる。垂直性骨欠損部に対しても,歯周組織再生療法を行うとともに,咬合のコントロールを図っていくことにより良好な治癒が得られたものと考えられる。
【結論】二次性咬合性外傷をともなう慢性歯周炎患者に対し歯周組織再生療法を含む包括的治療を行うことで良好な治癒が得られた。