日本歯周病学会60周年記念京都大会

講演情報

臨床(認定医・専門医)ポスター

歯周組織再生療法

臨床(認定医・専門医)ポスター
歯周組織再生療法(慢性歯周炎)

2017年12月17日(日) 09:00 〜 16:50 ポスター会場 (さくら)

DP-21~DP-26
(ポスター討論:12:00~12:50)

[DP-25] 中等度慢性歯周炎患者に対して歯周組織再生療法を行った術後5年経過症例

Five-years follow-up case report of a patient with moderate chronic periodontitis after periodontal tissue regenerative therapy

大江 丙午1,2,高柴 正悟2/Hyogo Ohe1,2,Shogo Takashiba2 (ひょうご歯科1,岡山大学大学院医歯薬学総合研究科・歯周病態学分野2/Hyogo Dental Clinic1,Department of Pathophysiology-Periodontal Science, Okayama University Graduate School of Medicine, Dentistry and Pharmaceutical Sciences2)

研修コード:2504

キーワード:中等度慢性歯周炎、歯周組織再生療法、エムドゲイン

【はじめに】中等度慢性歯周炎患者に対してエムドゲイン®と自家骨移植を併用した歯周組織再生療法を行い,5年経過した症例を報告する。
【初診】患者:61歳,女性。初診日:2009年6月2日。主訴:下顎前歯部の歯周病の精査希望。現病歴:2009年5月初旬に25と26の動揺が気になり近医を受診したが,歯周病進行のため抜歯処置を受ける。下顎前歯部も歯周病の進行を指摘されて抜歯を勧められるが,歯の保存を強く希望して当院を受診した。
【診査・検査所見】全顎的にプラークコントロールが不良で,歯肉が発赤・腫脹していた。4mm以上の歯周ポケット率:42.4%,BOP率: 43.8%,PCR:57.3%。X線検査:全顎的に歯根長1/3から1/2の水平性骨吸収があり,特に12と42では根尖部に達していた。
【診断】中等度慢性歯周炎
【治療計画】1)歯周基本治療,2)再評価,3)歯周外科治療,4)再評価,5)口腔機能回復治療,6)SPT
【治療経過】1)歯周基本治療:TBI,Scaling,全顎的SRP,43-33部暫間固定,2)再評価,3)歯周外科治療:13-24, 47部,43-34部および46, 47部に歯周組織再生療法(エムドゲイン® + 自家骨移植),4)再評価,5)12部に歯周組織再生療法(エムドゲイン ® + GTR),6)再評価,7)口腔機能回復治療,8)再評価:臼歯部に深い歯周ポケットが残存,9)SPT
【考察と結論】本症例では,エムドゲイン®と自家骨移植を併用した歯周組織再生療法を実施後5年経過し,歯周組織は安定している。臼歯部の残存ポケットを中心に咬合性外傷にも配慮したSPTを継続していく必要がある。