日本歯周病学会60周年記念京都大会

講演情報

臨床(認定医・専門医)ポスター

矯正治療

臨床(認定医・専門医)ポスター
矯正治療

2017年12月17日(日) 09:00 〜 16:50 ポスター会場 (さくら)

DP-37~DP-40
(ポスター討論:12:00~12:50)

[DP-38] 開咬とⅡ度の根分岐部病変を伴う限局型重度慢性歯周炎患者に対して,歯周組織再生療法と矯正治療を行った一症例

Periodontal regenerative therapy and orthodontic treatment for localized severe chronic periodontitis with open bite and class ⅱ furcation involvement : A case report

竹之内 大助,竹之内 優花/Daisuke Takenouchi,Yuka Takenouchi (医療法人社団 竹和会 たけのうち歯科クリニック/Takenouchi Dental Clinic)

研修コード:2504

キーワード:根分岐部病変、歯周組織再生療法、矯正治療

【症例の概要】患者:40歳 女性 初診日:平成22年10月 他院で歯肉の炎症を指摘され気になるため来院。患者は非喫煙者であり,全身既往歴に特記事項はなし。プラークコントロールは不良であり(PCR 53.5%),全顎的に歯肉の炎症を認めた。36の頬側中央部には6 mmの歯周ポケットが存在し,Ⅱ度の根分岐部病変を認めた。咬合状態は開咬を呈しており,36の咬合面にはファセットの形成が著明であった。
【診断】限局型重度慢性歯周炎,咬合性外傷
【治療計画】1)歯周基本治療 2)再評価 3)歯周外科治療(36 歯周組織再生療法)4)再評価 5)矯正治療 6)再評価 7)メインテナンス
【治療経過】歯周基本治療後の再評価において,36の頬側にⅡ度の根分岐部病変を認めた。矯正治療を行う上でも,炎症のコントロールと歯周組織の安定が重要であると判断しGTR法を行った。術後約7ヵ月で再評価を行い,平成24年1月より矯正治療を開始した。矯正治療中は3ヵ月毎にプロフェッショナルケアを行った。その間,11, 21, 22にう蝕処置を行った。平成26年5月に矯正治療が終了し,再評価を行った後にSPTへと移行した。現在まで3ヵ月毎のSPTを行っている。
【考察・結論】本症例における36の根分岐部病変は,歯周組織の炎症に加えて,外傷性咬合およびエナメル突起の関与が考えられた。矯正治療の前にGTR法およびオドントプラスティを行うことで炎症を改善し,また,その後の矯正治療で開咬を改善することにより,臼歯部への強い咬合力をコントロールすることができ,現在まで歯周組織の安定が得られたと思われる。