60th Annual Meeting in Autumn

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臨床(認定医・専門医)ポスター

歯周形成手術

臨床(認定医・専門医)ポスター
歯周形成手術

Sun. Dec 17, 2017 9:00 AM - 4:50 PM ポスター会場 (さくら)

DP-41~DP-47
(ポスター討論:12:00~12:50)

[DP-47] 歯肉退縮に対して異なる術式を用いて根面被覆を行った一症例

A case report of root coverage with different surgical procedures for patient suffering from gingival recession

稲垣 裕司,板東 美香,生田 貴久,木戸 淳一/Yuji Inagaki,Mika Bando,Takahisa Ikuta,Jun-ichi Kido (徳島大学大学院 医歯薬学研究部 歯周歯内治療学分野/Department of Periodontology and Endodontology, Institute of Biomedical Sciences, Tokushima University Graduate School)

研修コード:2504

Keywords:歯肉退縮、根面被覆、結合組織移植術、modified Langer法、エンベロープ法

【はじめに】犬歯部に存在する歯肉退縮に対して,modified Langer法とエンベロープ法を用いて根面被覆を行った症例を報告する。
【初診】患者:36歳 女性。 主訴:前歯部の歯肉退縮に対する治療の依頼。 現病歴:成人前に近医にて矯正治療を受けたが犬歯部に歯肉退縮を生じ,数年前から冷水痛を覚えるようになった。2016年8月23日に近医の紹介状を持参し大学病院に来院された。
【診査・検査所見】43唇側にCEJから7mm,33に同6mm,23に同4mmの歯肉退縮が認められた。Millerの歯肉退縮の分類はClass I~IIであった。何れの部位も歯周ポケットは2mmで,全顎的に歯槽骨吸収は軽度であった。
【治療方針】①歯周基本治療,②再評価,③歯肉歯槽粘膜形成術,④再評価,⑤SPT
【治療経過】歯周基本治療ではTBIによるブラッシング方法の改善と,咬合性外傷の軽減のため咬合調整を行った。再評価後,結合組織移植術による根面被覆を行った。43と33に対してmodified Langer法を,23に対してエンベロープ法の術式を選択し,上顎口蓋部より一部上皮付き結合組織を採取し移植した。術後,移植片の収縮も見られたが,1ヶ月目には歯周組織は安定して後戻りは認められず,23と33ではほぼ100%,43でも80%程度の根面被覆が達成された。
【考察・まとめ】本症例では口蓋粘膜が厚く,移植片採取が比較的容易であった。歯肉退縮量が4mmを超える部位に対してmodified Langer法を,4mm以下の部位に対してエンベロープ法をそれぞれ選択し良好な結果を得たが,後者の術式の方が治癒は早く後戻りに対しても優れていた。