60th Annual Meeting in Autumn

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臨床(認定医・専門医)ポスター

インプラント周囲炎

臨床(認定医・専門医)ポスター
インプラント周囲炎

Sun. Dec 17, 2017 9:00 AM - 4:50 PM ポスター会場 (さくら)

DP-50~DP-51
(ポスター討論:12:00~12:50)

[DP-51] インプラント周囲炎によるインプラント摘出後,自家骨移植を伴う顎提形成を行った一症例

A case report of ridge augmentation with autogenous bone graft after implant removal for peri-implantitis

窪田 道男/Michio Kubota (平山歯科矯正歯科医院/Hirayama dental orthodontic clinic)

研修コード:2504

Keywords:インプラント周囲炎、インプラント摘出、自家骨移植、顎提形成

【はじめに】インプラント周囲炎によるインプラント摘出後に自家骨移植を伴う顎提形成を行った症例を報告する。
【症例,初診】患者:72歳,女性。初診:2015年1月30日。主訴:インプラント脱落後の義歯の不適合(インプラント施行医院作製)
【診査,検査所見】24, 25, 35, 46部のインプラントからの出血,排膿。PPDは3~10mm,BOPは100%。34-43歯のPPDは3mm以下,BOPは23%。パノラマX線所見で,上顎の無歯顎部分の歯槽提は,右側臼歯部以外全体的に低く,上顎洞底に近接し薄い骨量である。24, 25部のインプラントは上顎洞底に突出して埋入。24, 25, 35, 46部のインプラント埋入部分は深い骨吸収像が見られ,34, 36部のインプラントは歯頚部骨吸収像が見られた。
【診断】#1 重度インプラント周囲炎,#2 プラーク性歯肉炎,#3 欠損歯
【治療方針】①歯周基本治療 ②暫間補綴物による咬合回復 ③再評価 ④インプラント摘出,顎提形成 ⑤再評価 ⑥口腔機能回復治療 ⑦SPT
【治療経過】歯周基本治療と併せ上顎に暫間総義歯装着。上顎洞穿孔の疑いのある24, 25部のインプラント摘出。その後46, 35部のインプラント摘出。再評価後,24, 25部の凹状顎提と角化歯肉の欠如部に自家骨移植を伴う顎提形成を施行した。その後,口腔機能回復治療を行い,SPTへと移行した。
【考察,まとめ】インプラント周囲炎によるインプラント摘出は,それに伴い重篤な歯槽提の喪失,同部位の角化歯肉の欠如も伴い,その対応策としての顎提形成は有効であった。しかし,患者の治療への積極的な意欲の維持に困難を伴った。