[HP-01] 頭頸部がんの口腔状況における医療連携の課題
Issues of medical collaboration for oral condition of head and neck cancer patients
研修コード:2402
Keywords:頭頸部がん、周術期口腔機能管理、口腔状況
【目的】2012年度の診療報酬改定で,周術期口腔機能管理(以下周管)が新設され5年経過した。周管では,医科歯科地域との連携が重要であり,がん治療を円滑にすすめるためにも早期歯科介入が必要とされている。頭頸部がん患者の周管の実状を調査し,今後の医療連携の課題を検討する。
【対象および方法】2012年4月〜2017年3月に当院頭頸科より依頼があった頭頸部がん患者109名,男性89名,女性20名,平均年齢66歳(パノラマX線画像診断が可能,再発患者を除く)を対象とした。調査項目は,がん原発部位,がん診断から治療開始までの期間,歯科依頼時期,がん治療内容,口腔有害事象の有無,口腔状況は,現在歯数,う蝕,根尖病変,歯周病,動揺歯の有無について調査した。
【結果および考察】がん診断からがん治療開始までの期間は平均31.3日,歯科受診からがん治療開始までは平均6.8日であった。がん原発部位は,咽頭42%,喉頭21%,口腔14%,その他20%であった。がん治療内容は,化学放射線療法が74名と最も多く,口腔有害事象の出現率は,口腔粘膜炎87%,口腔乾燥81%,味覚異常52%であった。口腔状況では,現在歯数平均15.4本,う蝕48%,歯周病66%,根尖病変39%,動揺歯42%であった。口腔状況に問題があるにもかかわらず,歯科受診からがん治療開始までの期間が短いため対応に苦慮するケースも多く,がん診断直後の早い段階から介入する体制が必要であると考えられる。また,頭頸科からの情報と口腔トラブルを予測し,個々のがん治療に合わせた周管計画を立案したうえで,地域歯科診療所に情報提供し連携していく必要がある。
【対象および方法】2012年4月〜2017年3月に当院頭頸科より依頼があった頭頸部がん患者109名,男性89名,女性20名,平均年齢66歳(パノラマX線画像診断が可能,再発患者を除く)を対象とした。調査項目は,がん原発部位,がん診断から治療開始までの期間,歯科依頼時期,がん治療内容,口腔有害事象の有無,口腔状況は,現在歯数,う蝕,根尖病変,歯周病,動揺歯の有無について調査した。
【結果および考察】がん診断からがん治療開始までの期間は平均31.3日,歯科受診からがん治療開始までは平均6.8日であった。がん原発部位は,咽頭42%,喉頭21%,口腔14%,その他20%であった。がん治療内容は,化学放射線療法が74名と最も多く,口腔有害事象の出現率は,口腔粘膜炎87%,口腔乾燥81%,味覚異常52%であった。口腔状況では,現在歯数平均15.4本,う蝕48%,歯周病66%,根尖病変39%,動揺歯42%であった。口腔状況に問題があるにもかかわらず,歯科受診からがん治療開始までの期間が短いため対応に苦慮するケースも多く,がん診断直後の早い段階から介入する体制が必要であると考えられる。また,頭頸科からの情報と口腔トラブルを予測し,個々のがん治療に合わせた周管計画を立案したうえで,地域歯科診療所に情報提供し連携していく必要がある。