[HP-02] 人工関節置換術の周術期における早期からの口腔感染管理が奏功した慢性歯周炎患者の一症例
A case report of chronic periodontitis with successful perioperative oral infection control from the early period for the artificial joint replacement surgery
研修コード:2504
Keywords:慢性歯周炎、人工関節置換術、周術期口腔衛生管理
【緒言】人工関節置換術実施時には,口腔内の感染源残存や術後の歯科治療に伴う菌血症が,術後感染の原因となりうる。そのため周術期の口腔感染管理の重要性が報告されてきたが,歯科介入の開始時期が手術直前となることが多い。今回,手術の3ヵ月前に口腔感染管理を依頼されて,早期からの医科歯科連携による周術期管理が奏功した症例を報告する。
【患者背景】62歳,男性。2017年5月,右側変形性股関節症の人工関節置換術実施に先立ち,周術期口腔感染管理を目的に当院整形外科から紹介された。既往歴:心筋梗塞(2014年,その後ワーファリン内服中)。
【検査所見】全顎的に歯肉には発赤と腫脹が存在した。4mm以上のPPD率:76%,BOP陽性率:80%,PCR:75%。X線検査:全顎的に水平性歯槽骨吸収が存在し,臼歯部を中心に歯肉縁下歯石の沈着像,36には垂直性歯槽骨吸収像が存在。
【診断】広汎型中等度慢性歯周炎(周術期)
【治療方針】歯科衛生士として歯科医師と協同して,人工関節置換術に際しての感染管理の一端として口腔衛生管理が重要なことを患者に十分に理解させ,徹底的な感染源除去を目的とした歯周基本治療を実施する。
【治療経過】歯周基本治療により,セルフケアと歯周炎症状は大幅に改善した。術後の経過観察・管理は当院で継続し,人工股関節部と口腔の状態はともに良好である。
【考察・結論】周術期口腔感染管理の重要性を理解した医師との連携による早期の歯科的介入によって,口腔感染管理を徹底的に行うことができ,人工関節置換術の結果が良好であった。歯科衛生士として医科歯科連携の一翼を担い,患者のQOL向上に寄与できた。
【患者背景】62歳,男性。2017年5月,右側変形性股関節症の人工関節置換術実施に先立ち,周術期口腔感染管理を目的に当院整形外科から紹介された。既往歴:心筋梗塞(2014年,その後ワーファリン内服中)。
【検査所見】全顎的に歯肉には発赤と腫脹が存在した。4mm以上のPPD率:76%,BOP陽性率:80%,PCR:75%。X線検査:全顎的に水平性歯槽骨吸収が存在し,臼歯部を中心に歯肉縁下歯石の沈着像,36には垂直性歯槽骨吸収像が存在。
【診断】広汎型中等度慢性歯周炎(周術期)
【治療方針】歯科衛生士として歯科医師と協同して,人工関節置換術に際しての感染管理の一端として口腔衛生管理が重要なことを患者に十分に理解させ,徹底的な感染源除去を目的とした歯周基本治療を実施する。
【治療経過】歯周基本治療により,セルフケアと歯周炎症状は大幅に改善した。術後の経過観察・管理は当院で継続し,人工股関節部と口腔の状態はともに良好である。
【考察・結論】周術期口腔感染管理の重要性を理解した医師との連携による早期の歯科的介入によって,口腔感染管理を徹底的に行うことができ,人工関節置換術の結果が良好であった。歯科衛生士として医科歯科連携の一翼を担い,患者のQOL向上に寄与できた。