日本歯周病学会60周年記念京都大会

講演情報

歯科衛生士症例ポスター

リスクファクター関連

歯科衛生士症例ポスター
リスクファクター関連

2017年12月17日(日) 09:00 〜 16:50 ポスター会場 (さくら)

HP-09~HP-13
(ポスター討論:12:00~12:50)

[HP-12] ストレスに起因すると思われる咬合性外傷に伴う重度慢性歯周炎患者への対応

Corresponding to patients with severe chronic periodontitis accompanying occlusal trauma thought to be caused by stress

玉野 美樹,有田 博一,小川 実優/Miki Tamano,Hirokazu Arita,Miyuu Ogawa (有田歯科医院/Arita Dental Clinic)

研修コード:2504

キーワード:咬合性外傷、ストレス、ブラキシズム

【概要】咬合性外傷を伴う重度慢性歯周炎のSPT中に突然26, 27に歯周病が起こった。ブラッシングと動的治療を再開し,原因を探っていった。環境の変化にブラキシズムを疑い,オクルーザルスプリントと自己暗示法を用い良好な結果を得られたため報告する。
【初診】初診日:2007/3/17
患者:56歳 女性
主訴:上の前歯の差し歯がグラグラして抜けそう
現病歴:1年前より歯の揺れが激しく噛めなくなり当医院へ来院した。
特記事項:55歳の時に介護をしてきた義母が他界,60歳の時に実母が他界
【検査所見】11, 21唇側歯肉は根尖まで歯肉退縮。11, 21, 33, 35, 36, 43垂直骨吸収
【診断名】咬合性外傷を伴う重度慢性歯周炎
【治療経過】26, 27の歯肉が腫れて痛いので来院した。口蓋側歯肉は爛れ,薄くなり,歯間部は歯肉が陥没し,6㎜のポケットを認めた。数週間前に実母が他界し,ブラッシング,オクルーザルスプリントも使用出来なくなっていた。休養と睡眠を指導し,動的治療を行った。新たに歯肉が再生するまで術者磨きで清潔な状態を管理し,その後ブラッシング指導を開始し,ワンタフトブラシのソフトを選び指導後,歯肉の疼痛は軽減,歯肉の肥厚を確認し,歯ブラシと歯間ブラシを再開した。3ヶ月毎のSPTに入る前に,ブラッシングとブラキシズムへの理解を深めてSPTへ移行した。
【考察】環境の変化がストレスとなり,ブラキシズムを引き起こした結果,急発を起こしたと推測した。その後5年間は安定し経過している。この結果から環境の変化が歯周病の進行に関わり合いがあると考えられ,改めて患者とのコミュニケーションが大切であることが分かった。