[HP-13] 高齢の壊死性潰瘍性歯周炎患者に対する歯周治療症例の一考察
A Case report of periodontal treatment for elderly patient with necrotizing ulcerative periodontitis
研修コード:3002
キーワード:壊死性潰瘍性歯周炎、歯周治療、高齢者
【緒言】壊死性潰瘍性歯周炎(NUP)は歯肉の壊死と潰瘍形成を特徴とし,偽膜形成や出血,疼痛などの症状を伴う。今回,高齢患者のNUPが,炎症症状に適切に対応した治療で軽快した症例を報告する。
【初診】患者:83歳女性 初診日:2014年2月16日 主訴:歯ぐきが痛くて歯が磨けない 既往歴:胃潰瘍 骨粗鬆症 現病歴:5年前から歯肉の疼痛を自覚していた。近医で金属アレルギー疑いで金属冠をレジン暫間冠に置換するが症状改善せず,2011年11月に当院口腔外科へ紹介され扁平苔癬の診断の下,ステロイド薬治療を行うも疼痛が軽減せず当科へ紹介となる。
【診査・検査所見】全顎的に辺縁歯肉の強い発赤,局所的に歯肉の偽膜と潰瘍を認めた。全顎的に中等度の水平性骨吸収。PISA 1794.0mm 2,PCR 100%。
【診断】壊死性潰瘍性歯周炎
【治療計画】1)歯周基本治療 2)口腔機能回復治療 3)SPT
【治療経過】患者は歯肉の擦過痛と出血を恐れブラッシングを忌避していた。疼痛誘発の少ないブラッシング法によるセルフケアの確立と潰瘍形成部位には専門的ケアを頻回集中的に実施した。症状改善が患者のモチベーションを高め治癒に向かった。辺縁不適合のレジン暫間冠を補綴治療で置換した。SPT移行時のPISA 74.3mm 2,PCR19.7%。
【考察】NUPは歯肉の疼痛が強く,ブラッシングの忌避,細菌の残存,炎症の継続という悪循環に陥る。本症例では疼痛誘発を抑制したセルフケアの確立と,集中的な頻回の専門的治療が奏功した。一方で患者は高齢であり,身体的精神的通院負担を考慮したSPT環境整備が課題である。
【初診】患者:83歳女性 初診日:2014年2月16日 主訴:歯ぐきが痛くて歯が磨けない 既往歴:胃潰瘍 骨粗鬆症 現病歴:5年前から歯肉の疼痛を自覚していた。近医で金属アレルギー疑いで金属冠をレジン暫間冠に置換するが症状改善せず,2011年11月に当院口腔外科へ紹介され扁平苔癬の診断の下,ステロイド薬治療を行うも疼痛が軽減せず当科へ紹介となる。
【診査・検査所見】全顎的に辺縁歯肉の強い発赤,局所的に歯肉の偽膜と潰瘍を認めた。全顎的に中等度の水平性骨吸収。PISA 1794.0mm 2,PCR 100%。
【診断】壊死性潰瘍性歯周炎
【治療計画】1)歯周基本治療 2)口腔機能回復治療 3)SPT
【治療経過】患者は歯肉の擦過痛と出血を恐れブラッシングを忌避していた。疼痛誘発の少ないブラッシング法によるセルフケアの確立と潰瘍形成部位には専門的ケアを頻回集中的に実施した。症状改善が患者のモチベーションを高め治癒に向かった。辺縁不適合のレジン暫間冠を補綴治療で置換した。SPT移行時のPISA 74.3mm 2,PCR19.7%。
【考察】NUPは歯肉の疼痛が強く,ブラッシングの忌避,細菌の残存,炎症の継続という悪循環に陥る。本症例では疼痛誘発を抑制したセルフケアの確立と,集中的な頻回の専門的治療が奏功した。一方で患者は高齢であり,身体的精神的通院負担を考慮したSPT環境整備が課題である。