60th Annual Meeting in Autumn

Presentation information

歯科衛生士症例ポスター

モチベーション

歯科衛生士症例ポスター
モチベーション

Sun. Dec 17, 2017 9:00 AM - 4:50 PM ポスター会場 (さくら)

HP-14~HP-19
(ポスター討論:12:00~12:50)

[HP-19] 自覚のない口臭患者の治療経過

Treatment of a halitosis patient who is not aware of her oral malodor

北野 香1,米田 雅裕2,谷口 奈央3,藤本 暁江2,大曲 紗生2,沖野 成美1,桝尾 陽介2,瀬野 恵衣2,萩尾 佳那子2,樋口 拓哉2,脇 勇士郎2,森田 浩光2,埴岡 隆3,安河内 ひとみ1,廣藤 卓雄2/Kaori Kitano1,Masahiro Yoneda2,Nao Taniguchi3,Akie Fujimoto2,Sami Omagari2,Narumi Okino1,Yosuke Masuo2,Kei Seno2,Kanako Hagio2,Takuya Higuchi2,Yushiro Waki2,Hiromitsu Morita2,Takashi Hanioka3,Hitomi Yasukochi1,Takao Hirofuji2 (福岡歯科大学 医科歯科総合病院歯科衛生士部門1,福岡歯科大学 総合歯科学講座2,福岡歯科大学 口腔保健学講座3/Dental Hygienist Division, Fukuoka Dental College Medical and Dental Hospital1,Section of General Dentistry, Department of General Dentistry, Fukuoka Dental College2,Section of Oral Public Health, Department of Preventive and Public Health, Fukuoka Dental College3)

研修コード:2807

Keywords:口臭、自覚、不安感、口腔内細菌検査、モチベーション

【はじめに】口臭患者の多くは口臭を減らしたいという意識が強く,治療に対するモチベーションも高い。しかし一部の口臭患者は家族に勧められて来院しており,必ずしもモチベーションが高いとはいえない。強い口臭を指摘すれば治療に協力的になると思われるが,その一方で口臭恐怖が強くなり社会生活に支障が出る可能性も否定できない。今回は口臭恐怖が強くならないように配慮しながらモチベーションを向上させた症例を報告する。
【患者情報】初診:X年5月26日 患者:32歳・女性 主訴:家族から口臭を指摘される。現病歴:X年1月から歯肉の腫脹,ブラッシング時の出血に気付いていたが放置。X年4月に家族から口臭を指摘されたため受診。
【初診時の状態】検査の結果,強い口臭が検知された。PCR:83.0%,BOP部位:82.7%,4mm以上の歯周ポケットの割合:99.4%。歯周ポケット最深部:6mm。
【治療経過】①口臭と口腔内状況について説明 ②モチベーションの向上 ③口腔内細菌検査 ④歯周基本治療 ⑤治療後の状況確認
【結果および考察】患者は仕事が忙しく自身の口臭を気にする余裕がなかったと思われる。口臭があることを患者に伝えたが,口臭恐怖が強くならないよう特に配慮した。細菌検査を実施し,歯周病原性細菌が多く存在すること,それが歯周組織および口臭に影響をおよぼすことを伝えた。口腔内状況の改善に関するモチベーションが向上し,歯肉状態の改善,歯周病原性細菌の減少を認めた。またそれに伴って,口臭もほとんど検知されないレベルまで低下した。口臭患者は対応を誤ると口臭恐怖が強くなることがある。患者に応じた適切な対応が必要だと思われる。