60th Annual Meeting in Autumn

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歯科衛生士症例ポスター

セルフケアの確立

歯科衛生士症例ポスター
セルフケアの確立

Sun. Dec 17, 2017 9:00 AM - 4:50 PM ポスター会場 (さくら)

HP-20~HP-23
(ポスター討論:12:00~12:50)

[HP-22] 歯周基本治療のみで改善した歯肉退縮部位

Root coverage for gingival recession with gingival creeping attachment

熊谷 佑子2,川村 涼子2,村井 治1,鈴木 啓太1,伊東 俊太郎1,冨樫 正幸3,佐々木 大輔1,八重柏 隆1/Yuko Kumagai2,Ryoko Kawamura2,Osamu Murai1,Keita Suzuki1,Shuntaro Ito1,Masayuki Togashi3,Daisuke Sasaki1,Takashi Yaegashi 1 (岩手医科大学歯科保存学講座歯周療法学分野1,岩手医科大学附属病院歯科医療センター歯科衛生部2,とがし歯科クリニック3/Division of Periodontology, Department of Conservative Dentistry, School of dentistry, Iwate Medical University1,Dental Hygiene Section Iwate Medical University Hyospital Dental Center2,Togashi Dental Clinic3)

研修コード:2504

Keywords:歯肉退縮部、ブラッシング、クリーピング

【はじめに】矯正治療後に歯肉退縮が生じた症例に適切なブラッシング指導等で部分的に退縮部の改善を認めたので報告する。
【初診】患者:初診時年齢25歳女性。主訴:歯肉の形が気になる。現病歴:12歳時から16歳まで近医歯科で矯正治療を継続した。多忙を理由に定期検診を中断していたところ,13-11,32-42部に歯肉退縮が生じた。歯肉退縮の改善を希望し岩手医科大学附属病院歯科医療センターを受診した。
【診査・検査所見】初診時には臼歯部に4mm以上の歯周ポケットを認めた。歯の動揺は認めず,PCRは37%,歯肉の腫脹,発赤は軽度であった。32-42部にMillerの分類クラス1の歯肉退縮を認めた。また32-42部に最大6mmのアタッチメントロスおよび中心咬合時の早期接触を認めた。
【診断】歯肉退縮を伴う広汎型軽度慢性歯周炎
【治療計画(1口腔単位)】①歯周基本治療②再評価③歯周外科治療④再評価⑤メインテナンス
【治療経過】初診当時,患者のブラッシング圧は過度であった。そこで担当歯科衛生士が歯肉退縮の原因を説明し,適切なブラッシング方法について指導した。32-42部については当初,結合組織移植術も計画したがTBI,咬合調整等の歯周基本治療を継続したところ,再評価時に同部の歯肉退縮が著しく改善した。
【考察・結論】歯肉退縮の原因には咬合関係,不適切なブラッシング方法等がある。クリーピングアタッチメントが期待できる場合は,非外科的対応が必要と思われた。歯科衛生士の管理下で主訴部は現在まで安定している。歯科衛生士による適切なブラッシング指導等は歯肉退縮の改善と維持に有効であった。