[HP-23] 咬合崩壊を伴った重度慢性歯周炎患者に対し分布型を考慮し歯周治療を行った一症例
A case report of severe chronic periodontitis with bite collapse treated considering the distribution type of periodontal pocket
研修コード:2504
Keywords:重度慢性歯周炎、分布型、咬合力
【はじめに】咬合崩壊を伴った重度性歯周炎患者に対し歯周ポケットの分布型を応用した歯周治療と咬合治療を行い良好な経過を得た患者の初診からSPTまでの経過について報告する。
【初診】患者:63歳,男性。初診:2015年7月31日。主訴:歯がグラグラして噛めない,発音できない。現病歴:40歳頃から歯の動揺,自然脱落。喫煙歴:1日20本30年間,60歳で禁煙。歯科治療への不安感が強かったが,当院患者の家族の勧めで受診となった。
【診査・検査所見】口腔内所見:PCR81.8%,BI37.9%,4㎜以上PD59.1%であった。全顎的にプラークの付着,歯肉縁上縁下の歯石沈着,歯肉出血,排膿を認めた。X線所見:全顎的に重度の水平性骨吸収,上顎臼歯部にⅢ度分岐部病変を認めた。
【診断】広汎型重度慢性歯周炎
【治療計画】①歯周基本治療②治療用義歯作成③再評価④歯周外科治療⑤再評価⑥補綴治療⑦SPT
【治療経過】全体のPDの85%が隣接面と舌側面に存在,PDの分布型を隣接面+舌側型と分析した。方向性のある歯間ブラシの方法と単毛束ブラシ指導で,短期間(2回来院)でPCの確立を得た。補綴治療後には,咬合挙上床による咬合力分散と自己観察によるTCH軽減をはかりSPTに移行した。
【考察・まとめ】本症例では,分布型を応用したPCと残存歯への咬合力の分散が有効であったと思われる。SPT後においても,咬合力の調和と良好なPCの持続でQOLの向上が維持できるよう努めたい。それには歯科衛生士の役割が大きいと考える
【初診】患者:63歳,男性。初診:2015年7月31日。主訴:歯がグラグラして噛めない,発音できない。現病歴:40歳頃から歯の動揺,自然脱落。喫煙歴:1日20本30年間,60歳で禁煙。歯科治療への不安感が強かったが,当院患者の家族の勧めで受診となった。
【診査・検査所見】口腔内所見:PCR81.8%,BI37.9%,4㎜以上PD59.1%であった。全顎的にプラークの付着,歯肉縁上縁下の歯石沈着,歯肉出血,排膿を認めた。X線所見:全顎的に重度の水平性骨吸収,上顎臼歯部にⅢ度分岐部病変を認めた。
【診断】広汎型重度慢性歯周炎
【治療計画】①歯周基本治療②治療用義歯作成③再評価④歯周外科治療⑤再評価⑥補綴治療⑦SPT
【治療経過】全体のPDの85%が隣接面と舌側面に存在,PDの分布型を隣接面+舌側型と分析した。方向性のある歯間ブラシの方法と単毛束ブラシ指導で,短期間(2回来院)でPCの確立を得た。補綴治療後には,咬合挙上床による咬合力分散と自己観察によるTCH軽減をはかりSPTに移行した。
【考察・まとめ】本症例では,分布型を応用したPCと残存歯への咬合力の分散が有効であったと思われる。SPT後においても,咬合力の調和と良好なPCの持続でQOLの向上が維持できるよう努めたい。それには歯科衛生士の役割が大きいと考える