[HP-28] 受動免疫療法の併用で改善が見られたメインテナンスの1症例
A case of periodontal maintenance in conjunction with passive immunization therapy against pathogenic factor
研修コード:2305
Keywords:メインテナンス、受動免疫療法、抗ジンジパイン抗体
【症例の概要】ジンジパインおよびプラーク形成に関与するグルコシルトランスフェラーゼに対する鶏卵抗体含有タブレットをメインテナンス時のセルフケアに併用し,歯周組織が改善された症例を報告する。30歳代後半女性。現病歴:約12年前から4ヵ月毎にメインテナンスで来院していたが,歯周ポケット深さ(PPD),プロービング時の出血(BOP)の割合が増加傾向にあった。タブレット摂取前では,O’Learyらのプラークコントロールレコード(PCR):42.7%,BOP:21.5%,平均PPD:2.3mm,4mm以上のPPDの割合:3.5%であった。
【治療方針・治療経過】通常のメインテナンスに追加して,1日3回のブラッシング後に抗体含有タブレットを1回1個ずつ摂取してもらった。摂取後1年6ヵ月では,PCR:27.1%,BOP:2.1%,平均PPD:2.1mm,4mm以上のPPDの割合:0.7%に改善された。43の歯周ポケット中のP. gingivalisの割合は摂取前では0.53%であったが,摂取後1年6ヵ月では0.0017%に減少し,4年9ヵ月では検出限界値(0.00001%)以下であった。
【考察・まとめ】従来の機械的プラークコントロールに加え,タブレット中の抗体によるプラーク形成抑制およびジンジパイン活性抑制効果により,PCR,唾液および歯周ポケット中のP. gingivalisの割合の減少および臨床症状の改善が認められたと推測される。本症例より,メインテナンス時の病原因子に対する受動免疫療法併用の有効性が示唆された。
【治療方針・治療経過】通常のメインテナンスに追加して,1日3回のブラッシング後に抗体含有タブレットを1回1個ずつ摂取してもらった。摂取後1年6ヵ月では,PCR:27.1%,BOP:2.1%,平均PPD:2.1mm,4mm以上のPPDの割合:0.7%に改善された。43の歯周ポケット中のP. gingivalisの割合は摂取前では0.53%であったが,摂取後1年6ヵ月では0.0017%に減少し,4年9ヵ月では検出限界値(0.00001%)以下であった。
【考察・まとめ】従来の機械的プラークコントロールに加え,タブレット中の抗体によるプラーク形成抑制およびジンジパイン活性抑制効果により,PCR,唾液および歯周ポケット中のP. gingivalisの割合の減少および臨床症状の改善が認められたと推測される。本症例より,メインテナンス時の病原因子に対する受動免疫療法併用の有効性が示唆された。