60th Annual Meeting in Autumn

Presentation information

歯科衛生士症例ポスター

メインテナンス・SPT

歯科衛生士症例ポスター
メインテナンス・SPT

Sun. Dec 17, 2017 9:00 AM - 4:50 PM ポスター会場 (さくら)

HP-28~HP-30
(ポスター討論:12:00~12:50)

[HP-30] 慢性歯周炎患者に対するチームアプローチによる28年にわたる長期症例報告

A long-term case report for 28 years which is achieved by team approach to chronic periodontitis patient

加藤 万理1,稲垣 幸司2,安藤 和枝1,森 智恵美1,日比 麻未1,小澤 奈央1,菊池 毅3,三谷 章雄3/Mari Kato1,Koji Inagaki2,Kazue Ando1,Chiemi Mori1,Mami Hibi1,Nao Ozawa1,Takeshi Kikuchi3,Akio Mitani3 (愛知学院大学歯学部附属病院歯科衛生部1,愛知学院大学短期大学部歯科衛生学科2,愛知学院大学歯学部歯周病学講座3/Division of Dental Hygiene,Aichi-Gakuin Dental Hospital1,Department of Dental Hygiene,Aichi-Gakuin University Junior College2,Department of Periodontology,School of Dentistry,Aichi-Gakuin University3)

研修コード:2504

Keywords:慢性歯周炎、歯周基本治療、チームアプローチ

【症例の概要】症例は,初診1989年6月,45歳男性で,30歳頃よりブラッシング時に歯肉出血を自覚するも放置していた。来院3か月前の健診にて歯周病を指摘され,近在歯科医院を受診し,その後,紹介にて来院した。初診時検査所見は,左側臼歯部咬合平面の不整,上下顎前歯部の歯列不正と上顎前歯部の病的移動に伴う正中離開を認めた。上顎右側前歯部辺縁歯肉の炎症が顕著であり,PD4mm以上22.0%,PD7mm以上1.8%,BOP22.0%およびPCR48.0%であった。以上の所見から,限局型中等度慢性歯周炎,咬合性外傷と診断し,チームアプローチによる歯周病治療により,長期にわたり良好に推移した症例を報告する。
【治療方針】①歯周基本治療(口腔清掃指導,SRP,咬合調整,歯内治療)②再評価③SPT
【治療経過】1989年7月より歯周基本治療を開始し,口腔清掃指導,全顎にわたるSRPおよび咬合調整を行った。その結果,辺縁歯肉の炎症は軽減し,正中離開は自然閉鎖した。その後,再評価を繰り返し,2000年頃より高血圧症によりCa拮抗薬を服用しているが現在まで歯肉増殖は認めていない。初診からの28年後の2017年4月現在,1歯の喪失もなく,PD4mm以上はなく,BOPは18.5%と歯周病変は進行することなく維持されている。
【考察】チームアプローチにより,本症例は歯周病治療が奏功した。28年経過した現在でも,良好なモチベーションを維持しており,定期的な動機づけを行う事および患者の性格特性や生活背景の変化に対応する事で,長期的に良好な経過を得ている。