[LS7] 多剤耐性菌感染症への取り組み
研修コード:2203
略歴
1980年 名古屋大学医学部医学科卒業
1990年 名古屋大学医学部附属病院検査部助手
1993年 名古屋大学医学部附属病院検査部講師
1998年 京都大学大学院医学研究科臨床病態検査学教授医学部附属病院検査部部長
2002年 感染制御部部長(兼)
2005年 副病院長,医療安全管理部部長(兼)
2017年 副病院長(医療安全担当)
1980年 名古屋大学医学部医学科卒業
1990年 名古屋大学医学部附属病院検査部助手
1993年 名古屋大学医学部附属病院検査部講師
1998年 京都大学大学院医学研究科臨床病態検査学教授医学部附属病院検査部部長
2002年 感染制御部部長(兼)
2005年 副病院長,医療安全管理部部長(兼)
2017年 副病院長(医療安全担当)
近年の医学医療の発展は目覚ましく,その一方で,抗菌薬耐性菌による感染症が増加し,感染症診療の実態は大きく変貌した。
現在の我が国ならびに欧米諸国の医療現場においては,依然としてMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)やVRE(バンコマイシン耐性腸球菌),多剤耐性の緑膿菌やアシネトバクター,ESBL(基質特異性拡張型βラクタマーゼ)産生菌,最近ではCRE(カルバペネム耐性腸内細菌科細菌)など新たな耐性機構による耐性菌が蔓延している。また,抗菌薬投与後の腸内細菌叢のかく乱によって引き起こされるClostridium difficile感染症など,医療安全の視点からも解決すべき重要な課題である。
これらの耐性菌感染症の存在を知りその動向を常に把握しておくことが大切であり,国家レベルのサーベイランスデータはグローバルな視点から国際的な動向とあわせてきわめて重要な情報となる。一方で,地域での感染症対策を有効に作動させるためには,その地域特有の感染症の存在や耐性菌の動向の監視を怠ってはならない。
感染症診療においても感染予防対策と同様に大きく発展してきた。大規模病院においては,感染症専門医が各診療科で発生する感染症に適切な介入を行うようになった。世界的な標準治療(サンフォードガイドなど)が浸透することによって,感染症診療の治療成績の向上や医療費の削減,さらには耐性菌の発生頻度の低下などの効果がもたらされようとしている。
本講演では,抗菌薬の開発と相まって出現してきた耐性菌の分離状況と感染症の発生動向,必要な感染対策や感染症診療の向上によってもたらされた成果などを,自験例をふまえて述べる。
現在の我が国ならびに欧米諸国の医療現場においては,依然としてMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)やVRE(バンコマイシン耐性腸球菌),多剤耐性の緑膿菌やアシネトバクター,ESBL(基質特異性拡張型βラクタマーゼ)産生菌,最近ではCRE(カルバペネム耐性腸内細菌科細菌)など新たな耐性機構による耐性菌が蔓延している。また,抗菌薬投与後の腸内細菌叢のかく乱によって引き起こされるClostridium difficile感染症など,医療安全の視点からも解決すべき重要な課題である。
これらの耐性菌感染症の存在を知りその動向を常に把握しておくことが大切であり,国家レベルのサーベイランスデータはグローバルな視点から国際的な動向とあわせてきわめて重要な情報となる。一方で,地域での感染症対策を有効に作動させるためには,その地域特有の感染症の存在や耐性菌の動向の監視を怠ってはならない。
感染症診療においても感染予防対策と同様に大きく発展してきた。大規模病院においては,感染症専門医が各診療科で発生する感染症に適切な介入を行うようになった。世界的な標準治療(サンフォードガイドなど)が浸透することによって,感染症診療の治療成績の向上や医療費の削減,さらには耐性菌の発生頻度の低下などの効果がもたらされようとしている。
本講演では,抗菌薬の開発と相まって出現してきた耐性菌の分離状況と感染症の発生動向,必要な感染対策や感染症診療の向上によってもたらされた成果などを,自験例をふまえて述べる。