60th Annual Meeting in Autumn

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一般演題ポスター

検査・診断

一般演題ポスター
検査・診断

Sat. Dec 16, 2017 9:00 AM - 5:00 PM ポスター会場 (さくら)

P-001~P-008
(ポスター討論:11:40~12:30)

[P-004] 洗口吐出液中の肝細胞増殖因子(HGF)の検出による歯周病診断の可能性

Detection of hepatocyte growth factor in oral rinse water for possible periodontal diagnosis

鈴木 伸太1,青木 章1,片桐 さやか1,前川 祥吾1,江尻 健一郎1,Sophannary Kong1,永田 瑞1,山口 洋子2,大島 光宏3,和泉 雄一1/Shinta Suzuki1,Akira Aoki1,Sayaka Katagiri1,Shogo Maekawa1,Kenichiro Ejiri1,Sophannary Kong1,Mizuki Nagata1,Yoko Yamaguchi2,Mitsuhiro Ohshima3,Yuichi Izumi1 (東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科歯周病学分野1,日本大学歯学部生化学講座2,奥羽大学薬学部生化学分野3/Department of Periodontology, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Tokyo Medical and Dental University(TMDU), Japan1,Department of Biochemistry, Nihon University School of Dentistry, Tokyo, Japan2,Department of Biochemistry, Ohu University School of Pharmaceutical Sciences, Koriyama, Fukushima, Japan3)

研修コード:2504

Keywords:肝細胞増殖因子、HGF、スクリーニングテスト、イムノクロマトリーダー、ペリオスクリーン

【目的】本研究の目的は,洗口吐出液を用いた歯周炎スクリーニングのための試作HGFイムノクロマト試験紙の有効性を検討することである。
【材料と方法】2016-2017年に東京医科歯科大学歯学部附属病院歯周病外来の患者および同大学歯学部歯周病学分野医局員を含む125名を対象とした。被検者に水3m1を含漱させ,吐出液を回収した。歯周病検査として,PPD,BOPの測定およびエックス線検査を行った。洗口吐出液中のHGF濃度をELISA法で測定し,試作HGFイムノクロマト試験紙を用いて反応させ,イムノクロマトリーダーにて定量した。また,既存のペリオスクリーン®(PS)を用い結果を比較した。被験者の病態はBiofilm-gingival interface classification(Offenbacherら,2007年)を用いて分類し,99名のエックス線写真から全顎のBone crest levelを計測し,データ解析を行った。なお,本研究は歯学部倫理審査委員会の承認を得て行われた。
【結果】洗口吐出液中のHGF量は歯周炎の臨床パラメーターと有意な相関があることが示された。PSは陽性率は高いが偽陽性も認められた。試作HGF試験紙は陽性率は低いものの,重度歯周炎の検出に有効であった。しかし,現状では感度が低く,さらなる改良が必要であった。
【結論】洗口吐出液中のHGFの検出は歯周炎のスクリーニングに有用であることが示され,HGF試験紙の歯周病診断への応用の可能性が示唆された。