60th Annual Meeting in Autumn

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一般演題ポスター

検査・診断

一般演題ポスター
検査・診断

Sat. Dec 16, 2017 9:00 AM - 5:00 PM ポスター会場 (さくら)

P-001~P-008
(ポスター討論:11:40~12:30)

[P-005] DNAチップによる歯肉溝滲出液中の口腔内細菌叢解析と臨床情報の関連

Correlation between oral bacterial flora analysis using DNA chip in gingival crevicular fluid and clinical findings

笹部 奈津季,髙山 和人,船橋 英利,熊谷 知弘/Natsuki Sasabe,Kazuto Takayama,Hidetoshi Funabashi,Tomohiro Kumagai (株式会社ジーシー/GC Corporation)

研修コード:3101

Keywords:歯周病、口腔内細菌叢

【目的】歯周病の発症・進行には,口腔内細菌の存在バランス(細菌叢)が関わっていると考えられる。DNAチップによる細菌検査では数十種類の細菌を一度に評価でき,細菌叢の情報を得ることが可能となる。本研究では,DNAチップを用いた口腔内細菌叢の解析結果と歯周組織検査による臨床所見との関連性を評価した。
【方法】本試験は株式会社ジーシーの倫理委員会の承認を得て実施した。被験者9名から歯肉溝滲出液を2~3箇所採取後,臨床情報(PD,BOP)を評価した。得られた歯肉溝滲出液(n=22)中の細菌叢を,28種類の歯周病関連細菌および総菌検出用のプローブを搭載したDNAチップ(三菱ケミカル)で分析した。得られた細菌叢についてクラスター解析を行い,3群に分類した。それぞれの群について,ポケット深さの平均値およびBOP陽性率を算出した。クラスター解析にはJUSE-StatWorks(日本科学技術研修所)を用いた。
【結果と考察】クラスター解析の結果,クラスター1(n=5),クラスター2(n=4),クラスター3(n=13)の3群に分類された。各群のポケット深さの平均は各群それぞれ4.4mm,3.5mm,2.7mmとなった。また,BOP陽性率はクラスター1において60%,クラスター2および3では0%であった。これより,細菌叢のバランスと臨床情報には関連があることが示唆された。
【結論】口腔内細菌叢を解析することで,口腔内の評価が可能であることが示唆された。本研究は比較的ポケットの浅い,健常者~歯肉炎罹患者を中心に実施したが,今後はポケットの深い被験者も対象とし,データを収集していく予定である。