[P-009] 歯周炎を誘発した糖尿病モデルマウスに対するGlycyrrhizinの作用について
Effects of Glycyrrhizin on ligature-induced periodontitis with Porphyromonas gulae infection in diabetes model mice
研修コード:2504
Keywords:歯周病、糖尿病
【目的】糖尿病(DM)は宿主の易感染性を引き起こし歯周炎の進行・重症化に関与する。一方,歯周炎は血中の炎症性サイトカインを上昇させインスリン抵抗性を惹起し糖尿病を増悪させる。従って,DM患者における歯周組織の炎症制御は両疾患のコントロールに重要である。High mobility group box 1(HMGB1)は最終糖化産物の受容体であるRAGEに結合し炎症性サイトカイン産生を誘導する。一方,Glycyrrhizin(GL)はHMGB1を阻害することで抗炎症効果を発揮する。本研究では歯周炎を誘発したDMモデルマウスにおけるGLの抗炎症効果及び血糖降下作用を明らかにすることを目的とした。
【方法】雄,5週齢のKK/TaJclマウスにHFD32を7週間給餌しDMモデルマウスを作製,絹糸結紮とPorphyromonas gulae(P.g)の口腔内塗布を行って歯周炎を誘発した。その後,GLの口腔内塗布を行った。14日目での血清中のP.gに対する抗体価,IL-6,SAA,RAGE及びHMGB1をELISA法,歯肉におけるIL-6,IL-1β,TNF-αのmRNA発現をリアルタイムPCRで分析し,28日目における空腹時血糖の測定を行った。
【結果・考察】DMモデルマウスにおいて歯周炎は歯肉における炎症性サイトカインのmRNA発現,血清中のP.g抗体価並びに炎症性サイトカイン,RAGEを増加させた。GLの口腔内塗布はこれらの上昇を抑制し空腹時血糖を低下させた。これらのことから,GLはDMマウスにおいてRAGEの制御を介して歯周および全身の炎症を抑制し糖尿病の病態を改善することが示唆された。
【方法】雄,5週齢のKK/TaJclマウスにHFD32を7週間給餌しDMモデルマウスを作製,絹糸結紮とPorphyromonas gulae(P.g)の口腔内塗布を行って歯周炎を誘発した。その後,GLの口腔内塗布を行った。14日目での血清中のP.gに対する抗体価,IL-6,SAA,RAGE及びHMGB1をELISA法,歯肉におけるIL-6,IL-1β,TNF-αのmRNA発現をリアルタイムPCRで分析し,28日目における空腹時血糖の測定を行った。
【結果・考察】DMモデルマウスにおいて歯周炎は歯肉における炎症性サイトカインのmRNA発現,血清中のP.g抗体価並びに炎症性サイトカイン,RAGEを増加させた。GLの口腔内塗布はこれらの上昇を抑制し空腹時血糖を低下させた。これらのことから,GLはDMマウスにおいてRAGEの制御を介して歯周および全身の炎症を抑制し糖尿病の病態を改善することが示唆された。