[P-012] 歯周病原細菌Porphyromonas gingivalis感染により増加した補体因子C5aが関節炎に及ぼす影響
The effect of C5a on the progression of arthritis by Porphyromonas gingivalis infection
研修コード:2203
キーワード:Porphyromonas gingivalis、関節リウマチ、C5a
【目的】関節リウマチ患者の歯周炎罹患率は高いことが知られている。私どもはPorphyromonas gingivalis (Pg)口腔感染が両疾患を関連付ける要素であること,その機序として補体因子C5aが関与していることを報告した。本研究ではC5aが破骨細胞分化ならびに滑膜細胞に与える影響を検討した。
【材料および方法】1.SKGマウスにlaminarin 10mg(LA)腹腔投与し関節炎を誘導した。Pg W83 108CFU を3日おきに口腔内に留置した。マウスは,対照群,LA投与群,Pg投与群,PgおよびLA投与群(Pg/LA群)の4群に分け,実験開始6週後に血清を採取した。SKGマウスの大腿骨から骨髄由来単球細胞(BMCs)を採取し,被験マウスの血清中C5aがBMCsの破骨細胞分化に与える影響をTRAP染色法ならびにPit formation assayで評価した。2.ヒト滑膜細胞をリコンビナントC5aで刺激し,細胞培養上清中のsRANKL量をELISAで,炎症関連因子の産生量をBio Plex assayにて網羅的に評価した。
【結果と考察】1.Pg/LA群の血清は骨吸収能を有した破骨細胞を誘導した。その誘導は抗C5a抗体の添加で抑制された。2.C5a刺激による細胞培養上清中のsRANKL量は有意な変化を認めなかったが,血管内皮増殖因子(VEGF)量は有意に増加した。VEGFはRAにおいて骨破壊をきたすパンヌスの増殖に関与している。よって,C5aは直接破骨細胞分化に関与するだけでなく,VEGFを介しパンヌス形成を促進することで関節炎増悪に関与することが示唆された。
【材料および方法】1.SKGマウスにlaminarin 10mg(LA)腹腔投与し関節炎を誘導した。Pg W83 108CFU を3日おきに口腔内に留置した。マウスは,対照群,LA投与群,Pg投与群,PgおよびLA投与群(Pg/LA群)の4群に分け,実験開始6週後に血清を採取した。SKGマウスの大腿骨から骨髄由来単球細胞(BMCs)を採取し,被験マウスの血清中C5aがBMCsの破骨細胞分化に与える影響をTRAP染色法ならびにPit formation assayで評価した。2.ヒト滑膜細胞をリコンビナントC5aで刺激し,細胞培養上清中のsRANKL量をELISAで,炎症関連因子の産生量をBio Plex assayにて網羅的に評価した。
【結果と考察】1.Pg/LA群の血清は骨吸収能を有した破骨細胞を誘導した。その誘導は抗C5a抗体の添加で抑制された。2.C5a刺激による細胞培養上清中のsRANKL量は有意な変化を認めなかったが,血管内皮増殖因子(VEGF)量は有意に増加した。VEGFはRAにおいて骨破壊をきたすパンヌスの増殖に関与している。よって,C5aは直接破骨細胞分化に関与するだけでなく,VEGFを介しパンヌス形成を促進することで関節炎増悪に関与することが示唆された。