[P-013] ナタマメエキスが関節リウマチと歯周炎の相互作用に対して与える効果について
The effect of sword bean extract on the relationship between rheumatoid arthritis and periodontitis.
研修コード:2402
Keywords:ナタマメエキス、歯周炎、関節リウマチ
【緒言】現在,関節リウマチ(RA)と歯周炎(PD)の相互関係が注目されている。一方で,植物由来成分が抗炎症作用を有することが報告されている。我々は,予備実験で,ナタマメエキス(Sward Bean Extract: SBE)が,LPS刺激THP-1細胞から産生されるTNF-αとIL-1βを有意に抑制することを明らかにした。今回の研究では,RAとPD,さらには,その相互作用に対してSBEが及ぼす効果を検討した。
【材料と方法】5週齢雌性のSKGマウスを使用した。RA群は,6週齢時に,マンナン20mgを腹腔内投与し,関節炎を誘導した。PD群は,10週齢時に,左右上顎第二臼歯に5-0絹糸を結紮し,歯槽骨吸収を誘導した。SBE投与群は,SBE(2000μg/ml)を飲用させた。屠殺後に歯槽骨吸収量の定量,歯周組織及び,関節の組織学的評価を行った。
【結果および考察】SBE投与群の歯槽骨吸収量は対照群と比較して,有意に小さい値を示した。組織学的評価において,SBE投与群では,炎症性細胞の浸潤が対照群と比較して少なくなっていた。RA+PD+SBE群では,RA+PD群と比較して関節における炎症スコアが有意に小さくなった。SBEは,歯周組織における炎症反応とRAと歯周炎が合併した際の関節での炎症を有意に抑制した。この結果は,SBEが炎症組織中で産生される骨吸収関連サイトカインであるTNF-αやIL-1βを抑制したためと考えられる。SBEは,実験的関節炎を有意に抑制することはできなかったが,実験的歯周炎モデルの歯槽骨吸収を抑制し,さらに,RAと歯周炎の相互作用を抑制することが明らかとなった。
【材料と方法】5週齢雌性のSKGマウスを使用した。RA群は,6週齢時に,マンナン20mgを腹腔内投与し,関節炎を誘導した。PD群は,10週齢時に,左右上顎第二臼歯に5-0絹糸を結紮し,歯槽骨吸収を誘導した。SBE投与群は,SBE(2000μg/ml)を飲用させた。屠殺後に歯槽骨吸収量の定量,歯周組織及び,関節の組織学的評価を行った。
【結果および考察】SBE投与群の歯槽骨吸収量は対照群と比較して,有意に小さい値を示した。組織学的評価において,SBE投与群では,炎症性細胞の浸潤が対照群と比較して少なくなっていた。RA+PD+SBE群では,RA+PD群と比較して関節における炎症スコアが有意に小さくなった。SBEは,歯周組織における炎症反応とRAと歯周炎が合併した際の関節での炎症を有意に抑制した。この結果は,SBEが炎症組織中で産生される骨吸収関連サイトカインであるTNF-αやIL-1βを抑制したためと考えられる。SBEは,実験的関節炎を有意に抑制することはできなかったが,実験的歯周炎モデルの歯槽骨吸収を抑制し,さらに,RAと歯周炎の相互作用を抑制することが明らかとなった。