[P-020] 頚動脈アテロームにおけるDNAメチル化と歯周病との関連
An association between DNA methylation in carotid atheroma and periodontal disease
研修コード:2402
Keywords:DNAメチル化、アテローム性動脈硬化、ペリオドンタルメディシン
【目的】歯周病と循環器疾患の関連が知られており,近年,両疾患でのエピジェネティックな変化が報告されている。歯周病と循環器疾患を結びつける因果関係は示されていないことから両疾患の関連を解析することが急務となっているが,我々は両疾患をつなぐ因子としてエピジェネティックな変化に着目した。本研究の目的は,歯周病患者の頚動脈アテロームにおけるDNAメチル化の状態を解析することである。
【材料と方法】Red Cross Hospital(Greece)の血管外科を受診し,頚動脈アテロームを外科的に切除する者を対象とし,アテローム病変を採取した。病変からDNAを抽出し,DNAメチル化プライマーアッセイを用いて10遺伝子のCpGアイランド領域におけるDNAメチル化状態を計測した。
【結果と考察】36名の被験者から,アテローム病変を採取して解析を行った。歯周病と糖尿病を有する被験者では,Matrix metalloproteinase(MMP)-2とMMP-9遺伝子において,DNAメチル化の増加が統計学的有意に認められた。歯周病と糖尿病を有する被験者におけるMMP-9のDNAメチル化の増加は,交絡因子を調整した上でも認められた。これまでに歯周病あるいは循環器疾患単独でのエピジェネティックな変化は報告されているが,本研究結果から歯周病とアテローム性動脈硬化症の関連においてのDNAメチル化の変化を初めて明らかにした。
【結論】歯周病患者では,アテローム病変のある血管壁におけるDNAメチル化が変化していた。歯周病原細菌感染が血管壁でのDNAメチル化の異常を介してアテローム形成に影響を与えている可能性が示唆された。
【材料と方法】Red Cross Hospital(Greece)の血管外科を受診し,頚動脈アテロームを外科的に切除する者を対象とし,アテローム病変を採取した。病変からDNAを抽出し,DNAメチル化プライマーアッセイを用いて10遺伝子のCpGアイランド領域におけるDNAメチル化状態を計測した。
【結果と考察】36名の被験者から,アテローム病変を採取して解析を行った。歯周病と糖尿病を有する被験者では,Matrix metalloproteinase(MMP)-2とMMP-9遺伝子において,DNAメチル化の増加が統計学的有意に認められた。歯周病と糖尿病を有する被験者におけるMMP-9のDNAメチル化の増加は,交絡因子を調整した上でも認められた。これまでに歯周病あるいは循環器疾患単独でのエピジェネティックな変化は報告されているが,本研究結果から歯周病とアテローム性動脈硬化症の関連においてのDNAメチル化の変化を初めて明らかにした。
【結論】歯周病患者では,アテローム病変のある血管壁におけるDNAメチル化が変化していた。歯周病原細菌感染が血管壁でのDNAメチル化の異常を介してアテローム形成に影響を与えている可能性が示唆された。