[P-021] 初診患者の喫煙に関する認知と歯周病態との関係-9歯科診療所における調査から禁煙支援を考える-
Relationship between smoking-related cognition and periodontal conditions among initial patients -Consideration of tobacco cessation from the findings at 9 dental practices-
研修コード:2504
Keywords:歯科診療所、歯科患者、歯周病、喫煙、加濃式社会的ニコチン依存度
【目的】歯科における禁煙支援推進の一助として,初診患者の歯周病態,喫煙および喫煙に対する認識に関する調査を行った。
【対象および方法】2011年4月〜7月に9歯科診療所に来院した成人初診患者の内,本研究の趣旨に同意した1,637名(38.1 ± 12.8歳)を対象に,歯周組織検査と質問票調査を行った。(倫理委員会承認番号:239)
【結果および考察】喫煙率37%(男性48%,女性22%),現在歯数26歯,歯周ポケット深さ最深部4mm以上歯の比率(4PD歯率)29%,プロービング時の出血歯の比率(BOP歯率)27%および動揺度1以上歯の比率(動揺歯率)4%であった。女性に比べ,男性では,4PD歯率とBOP歯率が高く(p < 0.01),非喫煙者においてもBOP歯率が高かった(p < 0.05)。非喫煙者に比べ,喫煙者は,現在歯数が少なく,4PD歯率,BOP歯率(p < 0.01),動揺歯率が高かった(p < 0.05)。一方,加濃式社会的ニコチン依存度(KTSND)得点は,喫煙歴に関わらず男性が高く,非喫煙者に比べ,喫煙者と前喫煙者が高く,準備期と熟考期の者に比べ,無関心期の者が高かった(p < 0.01)。また,喫煙者の禁煙への行動変容ステージは,準備期がわずか5%であった。したがって,KTSND得点の高い男性,喫煙者,特に無関心期喫煙者は,喫煙への認知が低く,依存度が高いと分析され,歯科診療所来院患者は,動機づけを必要とする禁煙困難な者が多いことが示唆された。
【結論】歯科診療所の成人患者の4割程度は,喫煙している可能性があり,それに対応するための禁煙支援は,簡単ではないが,重要であると考えられた。
【対象および方法】2011年4月〜7月に9歯科診療所に来院した成人初診患者の内,本研究の趣旨に同意した1,637名(38.1 ± 12.8歳)を対象に,歯周組織検査と質問票調査を行った。(倫理委員会承認番号:239)
【結果および考察】喫煙率37%(男性48%,女性22%),現在歯数26歯,歯周ポケット深さ最深部4mm以上歯の比率(4PD歯率)29%,プロービング時の出血歯の比率(BOP歯率)27%および動揺度1以上歯の比率(動揺歯率)4%であった。女性に比べ,男性では,4PD歯率とBOP歯率が高く(p < 0.01),非喫煙者においてもBOP歯率が高かった(p < 0.05)。非喫煙者に比べ,喫煙者は,現在歯数が少なく,4PD歯率,BOP歯率(p < 0.01),動揺歯率が高かった(p < 0.05)。一方,加濃式社会的ニコチン依存度(KTSND)得点は,喫煙歴に関わらず男性が高く,非喫煙者に比べ,喫煙者と前喫煙者が高く,準備期と熟考期の者に比べ,無関心期の者が高かった(p < 0.01)。また,喫煙者の禁煙への行動変容ステージは,準備期がわずか5%であった。したがって,KTSND得点の高い男性,喫煙者,特に無関心期喫煙者は,喫煙への認知が低く,依存度が高いと分析され,歯科診療所来院患者は,動機づけを必要とする禁煙困難な者が多いことが示唆された。
【結論】歯科診療所の成人患者の4割程度は,喫煙している可能性があり,それに対応するための禁煙支援は,簡単ではないが,重要であると考えられた。