60th Annual Meeting in Autumn

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一般演題ポスター

微生物

一般演題ポスター
微生物(Porphyromonas gingivalis)

Sat. Dec 16, 2017 9:00 AM - 5:00 PM ポスター会場 (さくら)

P-025~P-030
(ポスター討論:11:40~12:30)

[P-026] アジスロマイシンによるPorphyromonas gingivalis 線毛発現に対する影響

Effects of Azithromycin on Porphyromonas gingivalis fimbrial expression

甘 博文1,佐々木 悠2,稲葉 啓太郎2,渡辺 清子2,浜田 信城2,三辺 正人1/Powen Kan1,Haruka Sasaki2,Keitaro Inaba2,Kiyoko Watanabe2,Nobushiro Hamada2,Masato Minabe1 (神奈川歯科大学大学院口腔統合医療学講座歯周病学分野1,神奈川歯科大学大学院口腔科学講座微生物分野2/Division of Periodontology, Department of Oral Interdisciplinary medicine, Kanagawa Dental University Graduate School of Dentistry1,Division of Microbiology, Department of Oral Science, Kanagawa Dental University Graduate School of Dentistry2)

研修コード:2504

Keywords:歯周病、アジスロマイシン、線毛

【目的】Porphyromonas gingivalisP. g)の宿主細胞への付着と定着には,菌体表面に発現する線毛が重要な役割を果たしている。そこで,タンパク質合成阻害薬であるアジスロマイシンを最小発育阻止濃度以下の濃度で投与後,P. g線毛の発現,細胞付着能,血球凝集能と遺伝子発現への影響を検討した。
【材料と方法】P. g ATCC 33277株を使用してヘミン,ビタミンK 1とイーストエキストラクトを添加したブルセラ液体培地で一昼夜培養した菌体のアジスロマイシンに対するMIC濃度を測定した。MIC濃度を決定後,1/2,1/4,1/8 MIC濃度のアジスロマイシン添加ブルセラ液体培地で18時間培養後,菌体を集菌しPBSで2回洗浄した。この菌体を12% SDS-PAGEで常法により泳動した。また,Western blotは,電気泳動後PVDF膜に転写し,抗41-kDa 線毛抗体を用いて行った。
【結果と考察】タンパク質合成阻害薬であるアジスロマイシンの最小発育阻止濃度以下濃度におけるP. gへの影響は,本菌線毛の発現抑制,血球凝集能および細胞付着能を阻害することが判明した。また,0.4 μg/μL,0.2 μg/μL,0.1 μg/μL濃度のアジスロマイシン添加により,41-kDa線毛が完全に消失していることが電子顕微鏡観察で確認された。以上の結果から,アジスロマイシンの殺菌作用だけではなく,低濃度ではP. gの口腔内定着を抑制し,バイオフィルム形成抑制に作用して歯周病治療に寄与することが示唆された。