日本歯周病学会60周年記念京都大会

講演情報

一般演題ポスター

微生物

一般演題ポスター
微生物(Porphyromonas gingivalis)

2017年12月16日(土) 09:00 〜 17:00 ポスター会場 (さくら)

P-025~P-030
(ポスター討論:11:40~12:30)

[P-030] S-PRGフィラーとジェルが歯周病原菌に及ぼす影響

Evaluating the effects of S-PRG baiomaterial filler and gel on periodontal pathogens

田村 宗明1,2,関 啓介1,3,4,今井 健一1,2/Muneaki Tamura1,2,Keisuke Seki1,3,4,Kenichi Imai1,2 (日本大学歯学部細菌学講座1,日本大学総合歯学研究所生体防御部門2,日本大学大学院歯学研究科歯学専攻口腔健康科学分野3,日本大学歯学部総合歯科学分野4/Dept. Microbiol., Nihon Univ. Sch. Dent.1,Div. Immunol. Pathobiol., Dent. Res. Cent., Nihon Univ. Sch. Dent.2,Div. Oral Health Sci., Nihon Univ. Sch. Dent. Grad. Sch. Dent.3,Dept. Compre. Dent. Clin. Edu., Nihon Univ. Sch. Dent.4)

研修コード:2203

キーワード:歯周病原菌、発育阻止、S-PRGフィラー

【目的】歯周病の原因のひとつに歯周病原菌バイオフィルムの形成が関与していることから,歯周病原菌のコントロールは歯周病の予防のみならず全身疾患の予防,宿主の健康維持や健康寿命の延長などに深く関わってくる。S-PRGフィラーは6種のイオンを放出するリチャージ可能な新規バイオマテリアルであるが,本材料が歯周病原菌に及ぼす影響についての報告はほとんどない。今回演者らは,S-PRGフィラーから放出されるイオン水が歯周病原菌の発育および病原因子に及ぼす影響と,臨床応用を想定してS-PRGフィラー含有ジェルを作製し,歯周病原菌に対する抗菌効果について検討した。
【方法】S-PRGフィラーを蒸留水に24時間浸漬した上清をイオン水として供試した。実験には歯周病原菌のP. gingivalisなど4菌株を供試した。発育抑制効果はイオン水を添加した培地で培養後の濁度から判定した。さらにP. gingivalisのgingipain活性と赤血球凝集能に及ぼす影響についても検討した。一方,S-PRGフィラー含有のジェルを作製し,歯周病原菌に対する抗菌効果を改良型寒天拡散法にて観察した。
【結果及び考察】イオン水は濃度依存的に供試菌株の発育と,P. gingivalisのgingipain活性および赤血球凝集能を抑制した。また,S-PRGフィラージェルは発育阻止帯を形成した。これらの結果から,イオン水およびS-PRGフィラージェルは歯周病原菌に対して抗菌効果を発揮し,歯周病の予防とQOLの向上に有用となる可能性が示唆された。
(学会会員外協力者 株式会社 松風 中塚 稔之)