60th Annual Meeting in Autumn

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一般演題ポスター

微生物

一般演題ポスター
微生物

Sat. Dec 16, 2017 9:00 AM - 5:00 PM ポスター会場 (さくら)

P-031~P-034
(ポスター討論:11:40~12:30)

[P-033] 口腔咽喉用スプレー剤の殺菌力に対する希釈及び唾液添加の影響

The influence of dilution and adding saliva to Oropharyngeal spray on bactericidal effect

浦川 李花,犬伏 順也/Rika Urakawa,Junya Inubushi (サンスター株式会社/Sunstar)

研修コード:2203

Keywords:塩化セチルピリジニウム、口腔咽喉用スプレー

【背景および目的】口腔ケアによる口腔細菌の質的量的制御により,誤嚥性肺炎の予防が期待できる。その中で,種々の殺菌剤を配合した口腔咽喉薬が上市されているが,唾液による希釈がこれらの殺菌力に及ぼす影響は十分明らかになっていない。そこで本研究では,各種口腔細菌及び真菌を用いて,3種の異なる殺菌剤を配合した市販口腔咽喉薬の殺菌力に対する,希釈及び唾液添加の影響を検討した。
【方法】供試薬剤は0.3%(w/v)塩化セチルピリジニウム(CPC剤),0.5%(w/v)ヨウ素(I剤)または0.45%(w/v)ポピドンヨード(PVP-I剤)を配合した3種の市販口腔咽喉用スプレー剤とし,それらを原液として2倍の段階希釈系列を水で作製し供試菌液を接種した。供試菌は歯周病,う蝕,肺炎に関連する口腔細菌及び真菌を含む計10菌種とした。供試菌液を接種後,経時的(15,30秒,1,3,5,10および30分後)に殺菌剤を不活化し72時間培養して各希釈系列における最短殺菌時間を評価した。また,3名の滅菌混合唾液を希釈系列に添加し,唾液成分が殺菌力に与える影響を検討した。
【結果】CPC剤は64倍に希釈した場合でも,ほぼ全ての供試菌を5分以内に殺菌したが,I剤およびPVP-I剤の場合,同条件下では殺菌効果は見られなかった。またいずれの供試薬剤でも,唾液を添加すると,無添加群よりも殺菌時間が長くなったが,この条件においてもCPC剤は他2剤と比べ低濃度でも短時間で殺菌効果を示した。
【結論】本結果から,唾液による希釈が生じる口腔や咽喉において0.3%(w/v)CPC含有口腔咽喉用スプレー剤はより有効であることが示唆された。