60th Annual Meeting in Autumn

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一般演題ポスター

微生物

一般演題ポスター
微生物

Sat. Dec 16, 2017 9:00 AM - 5:00 PM ポスター会場 (さくら)

P-031~P-034
(ポスター討論:11:40~12:30)

[P-034] 口腔バイオフィルム感染症を制御するパウダー状の天然食品の探索

Search for Powdered Natural Foods to Control Oral Biofilm Infections

伊東 昌洋1,伊東 孝2,河田 有祐3,塩田 康祥4,大久保 圭祐3,田井 真砂子1,中村 心1,岡本 憲太郎1,青木 秀之5,二井 広平5,宮島 彩5,大森 一弘3,山本 直史3,高柴 正悟1/Masahiro Ito1,Takashi Ito2,Yusuke Kawata3,Yasuyoshi Siota4,Keisuke Okubo3,Masako Tai1,Shin Nakamura1,Kentaro Okamoto1,Hideyuki Aoki5,Kohei Futatsui5,Aya Miyajima5,Kazuhiro Omori3,Tadashi Yamamoto3,Shogo Takashiba1 (岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 歯周病態学分野1,岡山大学病院 新医療研究開発センター2,岡山大学病院 歯周科3,独立行政法人国立病院機構四国がんセンター 歯科4,池田食研株式会社5/Okayama University Graduate School of Medicine, Dentistry and Pharmaceutical Sciences, Department of Pathophysiology - Periodontal Science1,Center for Innovative Clinical Medicine, Okayama University Hospital2,Department of Periodontics and Endodontics, Okayama University Hospital3,National Hospital Organization Shikoku Cancer Center4,Ikeda Food Research Co., Ltd.5)

研修コード:2109

Keywords:機能性食品、口腔感染症、感染制御

【目的】う蝕や歯周病に代表される口腔バイオフィルム感染症の予防は,全身の健康へも寄与する。しかし,現在の主な予防法は感染源の機械的除去であり,時間と労力の問題から要介護高齢者などには十分な対策が行き届かないのが現状である。そこで本研究では口腔内という特殊な環境における細菌感染を制御するために,介護食等に添加しやすいパウダー形態で,かつ抗菌性を有する食品を探索し,その特性を追求した。
【材料と方法】マッシュルーム,ニンニク,パセリ,タイム,ショウガ,大豆発酵物をリン酸緩衝溶液(PBS)に溶解させ上清を採取し,抽出液とした。各サンプル抽出液の終濃度が10mg/ml,1mg/ml,100 µg/mlになるようにStreptcoccus mutans(1.0×106 cfu/ml)を播種した液体培地に加え,2時間ごとに濁度を計測した。
さらに最も抗菌性を有した抽出液に対して100kDa,10kDa,3kDaの限外濾過を行い,各分画液を同様に評価した。陽性対照は塩化セチルピリジニウム溶液(終濃度0.05%),陰性対照はPBSとした。
【結果と考察】各サンプル抽出液において,大豆発酵物は100µg/ml以上の濃度で,タイムは1mg/ml以上の濃度で,ショウガは10mg/mlで増殖抑制を示す傾向があった。よって,本研究で探索した食品のうち,大豆発酵物が最も抗菌性を有すると判断した。そして大豆発酵物は100kDa以上の分画液に抗菌性物質が局在していることが示唆された。
【結論】探索の結果,大豆発酵物パウダーは口腔感染症を制御する新規の機能性食品となる可能性が示唆された。