[P-040] ロジンを含有した歯のコーティング剤による歯周病原細菌に対する抗菌効果の調査
Antibacterial effect on periodontopathic bacteria by rosin-containing tooth coating agent
研修コード:2203
キーワード:歯のコーティング剤、歯周病原細菌、レッドコンプレックス細菌
【目的】ロジンが配合された審美向上を目的とする歯のコーティング剤(HANIC DC pro EX:株式会社ハニック・ホワイトラボ)のin vitroおよびin vivoにおける歯周病原細菌に対する抗菌効果を調査した。
【材料と方法】in vitro実験では本コーティング剤に含有されている樹脂成分のロジンとその主成分アビエチン酸等を24穴プレートに塗布・乾燥後,前培養したP. gingivalis(P.g), T. forsythia(T.f)およびA. actinomycetemcomitans(A.a)を接種した。24時間培養後,濁度(OD:540nm)を測定し,増殖抑制効果を検討した。in vivo実験(倫理審査委員会で承認済み)では予めPCR法にてP.g保菌を確認した被験者5名に,本コーティング剤を指定歯面に10日間連続で塗布させ,塗布直前と塗布後に試料採取を行った。また一ヶ月後,同被験者にアビエチン酸非含有プラセボコーティング剤を前述と同様に塗布させ,試料採取を行った。インベーダーPCR法により,総菌数とP.gを含むRed complex細菌を定量した。
【結果と考察】in vitroにおいて,ロジンとその主成分であるアビエチン酸はP.gやT.fに対して顕著に増殖抑制効果を示したが,A.aに対しては効果を示さなかった。in vivoにおいては,10日間塗布後にT. fが有意に減少したことから,HANIC DCpro EXは本菌に対して臨床的に抗菌効果を示すことが示唆された。P.gとT. denticolaは,塗布後に減少傾向を示したことから,更に長期の比較検討が必要であると考えられる。
【材料と方法】in vitro実験では本コーティング剤に含有されている樹脂成分のロジンとその主成分アビエチン酸等を24穴プレートに塗布・乾燥後,前培養したP. gingivalis(P.g), T. forsythia(T.f)およびA. actinomycetemcomitans(A.a)を接種した。24時間培養後,濁度(OD:540nm)を測定し,増殖抑制効果を検討した。in vivo実験(倫理審査委員会で承認済み)では予めPCR法にてP.g保菌を確認した被験者5名に,本コーティング剤を指定歯面に10日間連続で塗布させ,塗布直前と塗布後に試料採取を行った。また一ヶ月後,同被験者にアビエチン酸非含有プラセボコーティング剤を前述と同様に塗布させ,試料採取を行った。インベーダーPCR法により,総菌数とP.gを含むRed complex細菌を定量した。
【結果と考察】in vitroにおいて,ロジンとその主成分であるアビエチン酸はP.gやT.fに対して顕著に増殖抑制効果を示したが,A.aに対しては効果を示さなかった。in vivoにおいては,10日間塗布後にT. fが有意に減少したことから,HANIC DCpro EXは本菌に対して臨床的に抗菌効果を示すことが示唆された。P.gとT. denticolaは,塗布後に減少傾向を示したことから,更に長期の比較検討が必要であると考えられる。