60th Annual Meeting in Autumn

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一般演題ポスター

炎症

一般演題ポスター
炎症

Sat. Dec 16, 2017 9:00 AM - 5:00 PM ポスター会場 (さくら)

P-046~P-060
(ポスター討論:11:40~12:30)

[P-054] ヒト歯周組織由来線維芽細胞,血管内皮細胞および上皮細胞におけるニコチンの取り込みについての検討

Evaluation of nicotine uptake into human gingival fibroblasts, periodontal endothelial cells and gingival Keratinocytes

五十嵐(武内) 寛子1,2,立花 利公2,沼部 幸博1/Hiroko Takeuchi-Igarashi1,2,Toshiaki Tachibana2,Yukihiro Numabe1 (日本歯科大学生命歯学部 歯周病学講座1,東京慈恵会医科大学 基盤研究施設(分子細胞生物学)2/Department of Periodontology, School of Life Dentistry at Tokyo, The Nippon Dental University1,Core Research Facilities for Basic Science(Division of Molecular Cell Biology), The Jikei University School of Medicine2)

研修コード:2504

Keywords:ニコチン、喫煙、空胞変性、血管内皮細胞、歯肉上皮細胞

【目的】ヒト歯周組織由来線維芽細胞,血管内皮細胞および上皮細胞に対し 3H-nicotineを作用しニコチンの動態について検討を行った。
【材料・方法】健常歯周組織を有する患者より歯肉線維芽細胞,歯根膜由来血管内皮細胞および上皮細胞の分離を行い各種細胞の培養培地に最終濃度が1μg/mlとなるようにニコチンを添加し12~48時間作用させ位相差および走査型電子顕微鏡(SEM)により形態観察を行った。
各種培養培地に3H-nicotineを添加し12~48時間培養後,液体シンチレーションカウンターにてニコチンの取り込みの測定,さらに上記濃度でニコチンを作用し1~7日間培養を行い細胞数の測定を行った。
【結果】SEMによる観察では各種細胞において細胞膜の連続性が失われた穴状構造物,円形陥没および隆起が認められた。血管内皮細胞では特にニコチン添加48時間後に細胞の委縮が顕著であった。
3H-nicotineを作用しニコチン動態を検索したところ,歯肉線維芽細胞において刺激に伴い細胞内3H-nicotineの有意な増加が認められたが血管内皮細胞では48時間後には減少が認められニコチンの細胞毒性の結果と一致していた。
【考察】各種細胞においてニコチン刺激による空胞変性が認められ,今回の結果から空胞内にニコチンが取り込まれたことが示唆された。細胞種によりニコチン毒性の反応は異なり血管内皮細胞ではより顕著であったことから,創傷治癒の遅延について影響することが考えられた。
本研究は,学術研究助成基金助成金:若手研究(B)課題番号:16K20681の助成を受けて行われた。