[P-057] 周期的伸展刺激を受容した歯根膜細胞はNLRP3インフラマソーム抑制因子を産生する
Periodontal ligament cells exposed to cyclic tensile force secrete inhibitory factors of NLRP3 inflammasome
研修コード:2206
Keywords:歯根膜細胞、マクロファージ、メカニカルストレス、インフラマソーム
【目的】歯根膜は,生理的咬合により生じるメカニカルストレスを様々な生化学的反応に変換する。一方,細菌感染によりIL-1β産生を調節するNLRP3インフラマソーム活性化することも報告されているが,メカニカルストレスとの関連に関しては不明な点が多い。本研究では周期的伸展刺激を受けた歯根膜細胞がマクロファージNLRP3インフラマソーム情報伝達系に及ぼす影響について検討した。
【方法】ヒト歯根膜線維芽細胞をSTB-140 STREX(STREX Co.)を用いて伸展率20%,10/60Hzにて刺激を行ない,24時間後に培養上清を回収した。同上清存在下でマウスマクロファージ様細胞株J774.1をE. coli LPS(100ng/ml)で4時間刺激後,1mM ATPで2時間刺激した。NLRP3インフラマソーム関連分子の発現をqRT-PCR法,ELISA法およびWestern Blot法にて,Caspase-1活性はFAM-FLICA Kits®にて解析した。
【結果】J774.1をLPS/ATPで刺激するとIL-1βの分泌が誘導されたが,伸展刺激歯根膜細胞の培養上清の添加により,その分泌量が有意に減少した。同培養上清の添加はマクロファージNLRP3インフラマソーム関連分子の発現には影響を及ぼさなかったが,活性型caspase-1陽性細胞数およびPropidium Iodide陽性を示す死細胞数が減少した。
【考察】本研究の結果は,生理的な咬合によるメカニカルストレスは,歯根膜の過剰な炎症反応に対してインフラマソーム抑制を介して制御することでその恒常性を維持していることが示唆された。
【方法】ヒト歯根膜線維芽細胞をSTB-140 STREX(STREX Co.)を用いて伸展率20%,10/60Hzにて刺激を行ない,24時間後に培養上清を回収した。同上清存在下でマウスマクロファージ様細胞株J774.1をE. coli LPS(100ng/ml)で4時間刺激後,1mM ATPで2時間刺激した。NLRP3インフラマソーム関連分子の発現をqRT-PCR法,ELISA法およびWestern Blot法にて,Caspase-1活性はFAM-FLICA Kits®にて解析した。
【結果】J774.1をLPS/ATPで刺激するとIL-1βの分泌が誘導されたが,伸展刺激歯根膜細胞の培養上清の添加により,その分泌量が有意に減少した。同培養上清の添加はマクロファージNLRP3インフラマソーム関連分子の発現には影響を及ぼさなかったが,活性型caspase-1陽性細胞数およびPropidium Iodide陽性を示す死細胞数が減少した。
【考察】本研究の結果は,生理的な咬合によるメカニカルストレスは,歯根膜の過剰な炎症反応に対してインフラマソーム抑制を介して制御することでその恒常性を維持していることが示唆された。