[P-059] アクチン結合タンパク質は細胞内外におけるコラーゲン代謝に影響を及ぼす
The actin binding proteins have an effect on the intra and extracellular collagen metabolism.
研修コード:2206
Keywords:細胞接着、コラーゲン代謝、アクチン結合タンパク質
【目的】細胞と細胞外基質の接着には,インテグリンやアクチンフィラメントに結合するフィラミンAなどのアクチン結合タンパク質の存在が重要である。本研究では,アクチン結合タンパク質が細胞内外におけるコラーゲン代謝に影響を及ぼすかを調べた。
【材料および方法】マウス線維芽細胞(FLNa WT)とピューロマイシン誘導性フィラミンAノックダウンマウス線維芽細胞(FLNa KD)を使用して,qPCR法とイミノブロット法によりマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)およびコラーゲン分解産物の発現を検索した。免疫蛍光染色で,アクチン結合タンパク質および細胞外コラーゲンの発現を分析した。
【結果および考察】接着斑の分析では,培養6時間後にFLNa KDのα-SMA数は,FLNa WTと比較して減少した。接着斑マーカーと細胞外コラーゲン分解産物である3/4コラーゲンとの共免疫染色では,培養6時間後のタリン,α-SMAと3/4コラーゲンとの共存に違いが認められた。活性化β1インテグリンの発現はFLNa WTが,FLNa KDと比較して上昇した。細胞周囲のコラーゲン合成および分解については,FLNa KDが,FLNa WTと比較してMMP-9の発現が上昇し,3/4コラーゲンの発現も上昇した。細胞内コラーゲン分解酵素であるカテプシンBやリソソーム蓄積の指標となるLAMP2の発現はFLNa WTで上昇した。以上のことより,アクチン結合タンパク質であるフィラミンAが,細胞周囲でのコラーゲン代謝および接着斑の形成に影響を与えることが分かった。
(会員外協力者:Christopher McCulloch)
【材料および方法】マウス線維芽細胞(FLNa WT)とピューロマイシン誘導性フィラミンAノックダウンマウス線維芽細胞(FLNa KD)を使用して,qPCR法とイミノブロット法によりマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)およびコラーゲン分解産物の発現を検索した。免疫蛍光染色で,アクチン結合タンパク質および細胞外コラーゲンの発現を分析した。
【結果および考察】接着斑の分析では,培養6時間後にFLNa KDのα-SMA数は,FLNa WTと比較して減少した。接着斑マーカーと細胞外コラーゲン分解産物である3/4コラーゲンとの共免疫染色では,培養6時間後のタリン,α-SMAと3/4コラーゲンとの共存に違いが認められた。活性化β1インテグリンの発現はFLNa WTが,FLNa KDと比較して上昇した。細胞周囲のコラーゲン合成および分解については,FLNa KDが,FLNa WTと比較してMMP-9の発現が上昇し,3/4コラーゲンの発現も上昇した。細胞内コラーゲン分解酵素であるカテプシンBやリソソーム蓄積の指標となるLAMP2の発現はFLNa WTで上昇した。以上のことより,アクチン結合タンパク質であるフィラミンAが,細胞周囲でのコラーゲン代謝および接着斑の形成に影響を与えることが分かった。
(会員外協力者:Christopher McCulloch)