日本歯周病学会60周年記念京都大会

講演情報

一般演題ポスター

骨・硬組織

一般演題ポスター
骨・硬組織

2017年12月16日(土) 09:00 〜 17:00 ポスター会場 (さくら)

P-069~P-078
(ポスター討論:11:40~12:30)

[P-069] アンジオポエチン様タンパク質2は骨芽細胞分化のpositive regulatorとして機能する

Angiopoietin-like protein 2 is a positive regulator of osteoblast differentiation

高野 愛子,福田 隆男,新城 尊徳,岩下 未咲,竹下 正章,Rehab Alshargabi,讃井 彰一,西村 英紀/Aiko Takano,Takao Fukuda,Takanori Shinjo,Misaki Iwashita,Masaaki Takeshita,Rehab Alshargabi,Terukazu Sanui,Fusanori Nishimura (九州大学大学院歯学研究院 歯周病学分野/Department of Periodontology, Faculty of Dental Science, Kyushu University, Fukuoka, Japan)

研修コード:2299

キーワード:アンジオポエチン様タンパク質2、骨芽細胞、脂肪細胞、分化

【目的】Angiopoietin-like protein 2(Angptl2)は,脂肪組織で発現が高く,各種ストレスや炎症性サイトカイン刺激で発現が増加し,単球の遊走や血管炎症を誘導する慢性炎症の鍵因子である。本研究でマウス骨芽細胞における内在性Angptl2発現レベルが脂肪細胞分化 3T3-L1に匹敵する高レベルである事を見出した。Angptl2は,正常脂肪分化を促進する因子としての報告も存在するため,発生由来が脂肪細胞と同じ骨芽細胞においても重要な働きを担っているとの作業仮説を立て,骨芽細胞における同因子の機能解析を行う事とした。
【材料と方法】MC3T3-E1及びprimary骨芽細胞を使用した。リアルタイム PCR法でAngptl2,ALP,Runx2,SP7の遺伝子発現解析を行った。各細胞のALP タンパク発現の確認は,ALP 染色,石灰化の確認は,von Kossa 染色によった。
【結果と考察】MC3T3-E1及びprimary骨芽細胞のAngptl2をノックダウンし,骨芽細胞分化誘導するとALPの発現が抑制された。更にvon Kossa 染色で石灰化の抑制が観察された。また,ALPの重要な転写制御因子として知られるRunx2のmRNA 発現量は不変であったが,SP7のmRNA発現は抑制された。またMC3T3-E1にAngptl2 中和抗体を添加したところ,ALPのmRNA発現が抑制された。
【結論】骨芽細胞においてAngptl2は,細胞分化を促進していることが示唆された。Angptl2はオートクラインに作用する分化のpositive regulatorとして機能している事が明らかとなった。