[P-071] 間葉系幹細胞の恒常性維持におけるAngptl2の役割
The role of Angiopoietin-like protein 2 on the maintenance of mesenchymal stem cell homeostasis
研修コード:2299
Keywords:アンジオポエチン様タンパク質2、未分化間葉系幹細胞、恒常性
【背景】肥満や2型糖尿病患者の骨粗鬆症による骨折リスクは健常者と比較して高いという報告がある。Angiopoietin-like protein 2(Angptl2)は,肥満や糖尿病において血中濃度が増加する分泌型糖タンパクとして同定され,メタボリックシンドロームの鍵因子として考えられてきた。我々は脂肪組織で発現が高いとされてきたAngptl2が,骨組織及び骨芽細胞においても高発現しており,同因子が骨芽細胞分化のpositive regulatorとして機能していることを報告した。また,未分化間葉系幹細胞株ST2では,未分化期で最もAngptl2の発現が高く,骨芽細胞分化と共に発現が減少していくこと,更にAngptl2をノックダウンすると細胞増殖も抑制されていることを報告した。そこで,本研究ではAngptl2が未分化間葉系幹細胞の恒常性維持に働いているとの仮説を立て,その詳細を検討することとした。
【材料と方法】ST2間葉系幹細胞を使用した。セルカウンター及びXTT解析で細胞増殖を評価した。細胞の生死判定はトリパンブルー染色によった。
【結果】ST2のAngptl2をノックダウンすると,細胞増殖の抑制は観察されたが,生存率は不変であった。また,過剰量のAngptl2を添加し,同様の実験を行ったところ,明らかな細胞増殖の抑制,および生存率の減少が観察された。
【考察】Angptl2は定常状態で間葉系幹細胞の恒常性を維持しており,肥満などが原因で同因子の組織の局所濃度が過剰となると組織破壊の方向へ傾くことが考えられる。
【材料と方法】ST2間葉系幹細胞を使用した。セルカウンター及びXTT解析で細胞増殖を評価した。細胞の生死判定はトリパンブルー染色によった。
【結果】ST2のAngptl2をノックダウンすると,細胞増殖の抑制は観察されたが,生存率は不変であった。また,過剰量のAngptl2を添加し,同様の実験を行ったところ,明らかな細胞増殖の抑制,および生存率の減少が観察された。
【考察】Angptl2は定常状態で間葉系幹細胞の恒常性を維持しており,肥満などが原因で同因子の組織の局所濃度が過剰となると組織破壊の方向へ傾くことが考えられる。