[P-078] 低出力超音波パルス(LIPUS)刺激によりビスフォスフォネート関連顎骨壊死(BRONJ)を予防できるか─ステージ0を想定したモデルラットによる検討
Low-intensity pulsed ultrasound prevents bisphosphonate-related osteonecrosis of the Jaw(BRONJ)-like delayed healing in rat socket
研修コード:2299
Keywords:低出力超音波パルス、顎骨壊死、力学的刺激
【目的】我々は過去にマウス顎骨の骨芽細胞が,頭蓋・下肢由来細胞と異なりLIPUS刺激存在下でのみRANKL, Bcl-2を発現することを示し,顎骨特異的に力学的刺激の存在が正常なリモデリングに必須であると提唱した。
力学的刺激が骨を維持し,骨芽細胞系でアポトーシスを防いでいるとすれば,骨吸収抑制剤のビスフォスフォネート等の投与後,抜歯による咬合力の負荷の喪失が病態を惹起する可能性があると考え,アレンドロネート(ALN)投与後に口腔内にPorphyrpomonas gingivalis(P.g)を感染させたラットの抜歯窩骨欠損部に対するLIPUSの局所的・全身的治癒促進効果を解析した。
【材料と方法】卵巣摘出した老齢ラットにALNを8週間投与,最後の3週間は上顎第1臼歯へP.gを局所的に感染させた。第1臼歯の除去翌日から,LIPUS照射群では口腔外から抜歯窩へ向けLIPUSを4週間照射した。
【結果と考察】ALN投与にP.g感染を行った群では1)抜歯窩の治癒が遅延し,2)歯槽骨の外縁に骨膜反応がみられ,3)歯槽骨骨密度が低下していたが,これらはLIPUS照射を行った群では予防されていた。また,大腿骨骨髄細胞より採取したmRNAではVEGF/CD31などの血管新生関連,Bcl-2, PCNAなどのアナボリックな効果,RANKL, CD68などリモデリング促進効果の低下が示されたがLIPUSにより回復した。
また,抜歯窩付近および遠隔部位でLIPUSによるCOX2依存性の血流改善が確認された。
【結論】抜歯により誘発されたBRONJ様の病態は,LIPUSが全身性に予防し,治癒過程を正常化する。
力学的刺激が骨を維持し,骨芽細胞系でアポトーシスを防いでいるとすれば,骨吸収抑制剤のビスフォスフォネート等の投与後,抜歯による咬合力の負荷の喪失が病態を惹起する可能性があると考え,アレンドロネート(ALN)投与後に口腔内にPorphyrpomonas gingivalis(P.g)を感染させたラットの抜歯窩骨欠損部に対するLIPUSの局所的・全身的治癒促進効果を解析した。
【材料と方法】卵巣摘出した老齢ラットにALNを8週間投与,最後の3週間は上顎第1臼歯へP.gを局所的に感染させた。第1臼歯の除去翌日から,LIPUS照射群では口腔外から抜歯窩へ向けLIPUSを4週間照射した。
【結果と考察】ALN投与にP.g感染を行った群では1)抜歯窩の治癒が遅延し,2)歯槽骨の外縁に骨膜反応がみられ,3)歯槽骨骨密度が低下していたが,これらはLIPUS照射を行った群では予防されていた。また,大腿骨骨髄細胞より採取したmRNAではVEGF/CD31などの血管新生関連,Bcl-2, PCNAなどのアナボリックな効果,RANKL, CD68などリモデリング促進効果の低下が示されたがLIPUSにより回復した。
また,抜歯窩付近および遠隔部位でLIPUSによるCOX2依存性の血流改善が確認された。
【結論】抜歯により誘発されたBRONJ様の病態は,LIPUSが全身性に予防し,治癒過程を正常化する。