一般演題ポスター
組織再生

[P-082] オゾン化グリセリンの骨芽培養細胞に対する骨再生能の基礎医学的探求

Effect of ozone for osteoanagenesis ability of human osteosarcoma cell line

長谷川 直美¹，今村 泰弘⁶，佐藤 哲夫²，倉 知子³，板井 丈治⁴，益野 一哉⁵，王 宝禮¹／Naomi Hasegawa¹，Yasuhiro Imamura⁶，Tetsuo Sato²，Tomoko Kura³，Joji Itai⁴，Kazuya Masuno⁵，Pao-Li Wang¹ (大阪歯科大学細菌学講座¹，サトウ歯科²，倉歯科医院³，大森東歯科医院⁴，大阪歯科大学歯科医学教育開発室⁵，松本歯科大学歯科薬理学講座⁶／Dept. of Bacteriology, Osaka Dental Univ.¹，Sato Dent. Clin.²，Kura Dent. Clin.³，Oomorihigashi Dent. Clin.⁴，Dept. of Dent. Innovation, Osaka Dental Univ.⁵，Dept. of Pharmacology, Matsumoto Dental Univ.⁶)

研修コード：2203

Keywords:歯周病、オゾン、骨芽細胞

【目的】歯周病治療において患部にオゾンを用いた時に殺菌効果，止血作用，創傷治癒促進，抗炎症作用を臨床的に経験する時がある。本研究では，臨床的知見から得たその骨再生能を基礎医学的に解明するためにヒト骨芽細胞様骨肉腫細胞に培養系にオゾン化グリセリンを添加した実験系を用いた。
【材料および方法】オゾンはオゾン化グリセンリンを用いた。細胞はヒト骨芽細胞様骨肉腫細胞株（Saos-2）への増殖能，コラーゲン産生能およびALP分泌への効果を解析した。細胞増殖能はMTT assayとBrdU Cell Proliferation Assay Kit，Collagen 産生能はELISAで解析した。ALP産生能はLabAssay ALP kitを用いた。
【結果および考察】本実験で用いたヒト由来プラセンタは，Saos-2への増殖能，コラーゲン産生能，ALP分泌能を確認できた。ALP活性は骨代謝の指標であることから，オゾン化グリセリンには骨再生能をもつ可能性が考えられた。オゾンの生理活性はこれまで「mildな酸化ストレス」が様々な核内転写因子を活性化することによると推定されている。適度な酸化ストレスによりNFκBとNrf2のバランスが生体の恒常性の維持と適応に重要である。本研究では，オゾンによるmildな酸化ストレスにより，骨系反応の細胞内情報伝達系NFκBとNrf2に影響を与えていると推測している。今後はオゾン化グリセリンによる細胞内情報伝達系を追求する。