[P-090] プラットフォームスイッチング型インプラントが周囲組織に与える影響について-光学顕微鏡と共焦点定量イメージサイトメーターによる観察-
The effects of platform -switching on the soft tissue -Based on findings by microscope and confocal quantitative image cytometer-
研修コード:2201
Keywords:プラットフォームスイッチング、共焦点定量イメージサイトメーター、骨吸収、炎症性細胞浸潤
【目的】これまでに演者らは,プラットフォームスイッチング型インプラント(PS)と非プラットフォームスイッチング型インプラント(NPS)が周囲組織に与える影響の違いを観察してきた。今回,PSとNPS周囲組織の非脱灰研磨組織標本を作成して観察を行い,比較検討を行った。
【材料と方法】実験動物として成カニクイザル雄3頭を用い,実験材料としてチタンインプラントとテンポラリーヒーリングアバットメント(THA)を使用した。全身麻酔を施し両側下顎臼歯を抜歯した。10週後,両側にインプラントを埋入し,一側にPS,対側にNPSとなるようそれぞれTHAを装着した。術後8週で安楽死させ,非脱灰研磨組織標本を作製してHE染色後,光学顕微鏡(LM)と共焦点定量イメージサイトメーター(CQ1)による観察を行った。
【結果】NPS,PSともにLM観察では,インプラント・アバットメント境(IAJ)部に炎症性細胞浸潤が認められた。またCQ1観察では低信号領域が認められ,その範囲はLM観察における炎症性細胞浸潤領域と一致しており,両者の場所や範囲に違いが見られた。
【考察および結論】CQ1所見で低信号領域として観察された部分は,炎症反応が自家蛍光を抑えたと考えられた。LMとCQ1所見とを対比した結果,NPSではインプラント・アバットメント境界部周囲の広範囲に炎症性細胞浸潤が認められたが,PSでは炎症性細胞浸潤がプラットフォーム上のごく一部に限局し,骨吸収が認められなかった。したがってプラットフォームスイッチングによって炎症性細胞浸潤の範囲が限定されたことが骨吸収の防止に作用している可能性が示唆された。
【材料と方法】実験動物として成カニクイザル雄3頭を用い,実験材料としてチタンインプラントとテンポラリーヒーリングアバットメント(THA)を使用した。全身麻酔を施し両側下顎臼歯を抜歯した。10週後,両側にインプラントを埋入し,一側にPS,対側にNPSとなるようそれぞれTHAを装着した。術後8週で安楽死させ,非脱灰研磨組織標本を作製してHE染色後,光学顕微鏡(LM)と共焦点定量イメージサイトメーター(CQ1)による観察を行った。
【結果】NPS,PSともにLM観察では,インプラント・アバットメント境(IAJ)部に炎症性細胞浸潤が認められた。またCQ1観察では低信号領域が認められ,その範囲はLM観察における炎症性細胞浸潤領域と一致しており,両者の場所や範囲に違いが見られた。
【考察および結論】CQ1所見で低信号領域として観察された部分は,炎症反応が自家蛍光を抑えたと考えられた。LMとCQ1所見とを対比した結果,NPSではインプラント・アバットメント境界部周囲の広範囲に炎症性細胞浸潤が認められたが,PSでは炎症性細胞浸潤がプラットフォーム上のごく一部に限局し,骨吸収が認められなかった。したがってプラットフォームスイッチングによって炎症性細胞浸潤の範囲が限定されたことが骨吸収の防止に作用している可能性が示唆された。