日本歯周病学会60周年記念京都大会

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一般演題ポスター

その他

一般演題ポスター
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2017年12月16日(土) 09:00 〜 17:00 ポスター会場 (さくら)

P-097~P-101
(ポスター討論:11:40~12:30)

[P-098] マウス口腔内実験に用いる開口器の開発と使用例-実験的歯周炎モデルへの応用-

Development and usage of mouth gag for the mouse oral experiments; The application to an experimental periodontitis model

倉治 竜太郎1,2,橋本 修一3,伊藤 弘2,沼部 幸博2/Ryutaro Kuraji1,2,Shuichi Hashimoto3,Hiroshi Ito2,Yukihiro Numabe2 (日本歯科大学生命歯科学講座1,日本歯科大学生命歯学部歯周病学講座2,日本歯科大学3/Department of Life Science Dentistry, The Nippon Dental University1,Department of Periodontology, School of Life Dentistry at Tokyo, The Nippon Dental University2,The Nippon Dental University3)

研修コード:2504

キーワード:開口器、マウス、薬液投与、実験的歯周炎、動物実験

【目的】歯周病学をはじめ歯学研究では,齧歯類を対象として実験を行うことが多い。こうした動物の口腔内に種々の処置を行う場合には,開口状態の保持や視野確保が実験手技を安定させる上で極めて重要な要素となる。我々は既にラットに利用できる小型開口器を開発し,その有効性を示したが,マウスの開口を保持する専用器具は提案されていない。そこで我々は,幅広い週齢のマウスに適合する規格化された開口器の作製を目的として,開発を行ったのでここに報告する。
【材料と方法】本考案は,1.5mmステンレス線を用いた長方形の切歯係止フレームと,フレーム内側に対向して取り付けた左右口角鈎,フレーム基端部に取り付けた開口調節体から構成される開口器である。マウスへの本器の適合性を検討するため,4,6,10週齢BALB/cマウスを対象に,本器各部による開口保持状態を評価した。また本器装着時の口腔内実験への応用例として,口蓋歯肉への薬液注射および実験的歯周炎作製のため上顎臼歯への絹糸結紮を行い,本器を用いた場合の処置時の視野確保と実験器具の到達,操作性について検討した。
【結果と考察】開口調節体により,異なるマウスの開口を安定して保持することができ,口腔内実験を良好に実施できた。また本器を使用することで,様々な角度からの器具挿入や舌の口腔外への排除が容易に遂行できた。
【結論】本規格化マウス開口器は,各週齢マウスの口腔内実験において優れた開口保持効果を有した。また,本器は総ステンレス製であることからオートクレーブ,乾熱滅菌後の感染実験への反復使用も可能である。本器は実用新案登録済みである(公開番号2014-004789)。