日本歯周病学会60周年記念京都大会

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一般演題ポスター

その他

一般演題ポスター
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2017年12月16日(土) 09:00 〜 17:00 ポスター会場 (さくら)

P-097~P-101
(ポスター討論:11:40~12:30)

[P-099] Web調査による歯科治療中断の理由と背景の分析

Web survey of reasons and background of patients who discontinued dental visit

加藤 智崇1,水谷 慎介1,杉山 精一2,内藤 徹1/Tomotaka Kato1,Shinsuke Mizutani1,Seiichi Sugiyama2,Toru Naito1 (福岡歯科大学総合歯科学講座高齢者歯科学分野1,杉山歯科医院2/Fukuoka Dental College Section of Geriatric Dentistry1,Sugiyama Denntal Clinic2)

研修コード:2504

キーワード:治療中断、受診行動、Web調査

【目的】歯科を受診する患者の中に,治療途中で受診を中断する者が存在する。これは,患者本人の不利益に加え,疾患の増悪による医療経済的な懸念もされる。本研究では,中断患者の減少を目指すために,中断理由と患者背景を明らかにすることを目的とした。
【研究方法】平成29年1月20~24日の期間にWebアンケートによる横断調査を実施した。対象者は,インターネットリサーチ会社に登録されているモニターとした。調査に応募したモニターのうち10年以内に歯科治療を受けた経験のあるものを選び,その後治療を中断したままの者を中断群,歯科医院でのメインテナンスを継続して受診している者を継続群とした。この2群に対して,患者背景および健康観や,歯科のイメージ等の中断理由(中断群のみ)について調査を実施した。
【結果】中断群225名,継続群236名の回答が得られた時点で調査対象者の募集を停止した。中断群と継続群の両群の比較において,職種,配偶者の有無,子供の有無,居住地には有意な差がみられなかった。中断群における過去10年間の中断の回数は,1~2回が161名,3~5回が41名,6回以上が23名であった。中断理由は,「症状が良くなった」が最も多く,「仕事・学業で忙しかった」,「金銭的に余裕がなかった」と続いた。また,中断群は継続群と比べ「『怖い』『痛い』等のイメージがある」など歯科に対してネガティブな質問で回答数が有意に多かった。
【考察・結論】歯科にネガティブなイメージがあり,症状の寛解がみられた場合には,歯科治療の中断に十分に注意すべきであると示唆された。